デザインに加え、エンジンも進化を!!
スポーツモデルがバンバン売れるような時代でもなく、むしろ煙たがられる時代である。他の車種で稼いでいるトヨタならまだしも、日産は「逆境」の真っ只中だ。新規プラットフォームに専用の新型エンジンを開発、という贅沢なことは言っていられない。
そうなると、今回の新モデルも、スキンチェンジを中心とするデザイン変更として、ビッグマイナーチェンジとするのが現実的だろう。筆者はZの新モデルはこうなるのではないか、と予想している。
エクステリアはフロントマスクとリア周りを中心に、大胆に変える。ヘッドライトパーツや樹脂フェンダー、インテリアで目に触れるセンターコンソール周りやメーター類、ドアインナーパネル部分など入れ替える。Z34のプロポーションはそのままに、目に触れる部分はすべてスキンチェンジを行い、印象をガラッと変える。
その代わり、基本となるFRプラットフォームや車体骨格は流用し、ホイールベースも、トレッドも維持。そしてエンジンは、V37型スカイラインに搭載されている3.0リッターV6ツインターボを搭載。回転フィールがバツグンに気持ちの良い、名エンジンだ。
またスカイラインと同様に、405psと304psの2種類を用意し、上位モデルはスペシャルモデルにする。トランスミッションはZ34の7速AT、6速MTを流用。その他のサスペンションアーム、メンバー、ブレーキシステム、タイヤなど、シャーシ部品も流用とする。個人的には、大きくなりすぎたタイヤを、ひと回り小径に戻してほしい。
このように、新たな記述開発は極力行わず、最低限、最新の衝突法規へ適合させる調整のみとする。コストをかけずに最大限の変更を行う、ということだ。
これで十分、ファンが待ち望むフェアレディZは造ることができる、と筆者は考える。これは、現行であるZ34が、登場から12年も経った現在でも、超一級のハンドリング性能を持っているからこそ、できることだ。
スープラを目指すな!! ライバルは「過去のZ」だ!!
ベンチマーキング好きの日産のことなので、スープラやポルシェなど、周辺のベンチマーキングは念入りに行っていることだろう。しかし、フェアレディZのような非日常を味わえる「スペシャリティカー」の魅力は、他社車に勝つことだけではない。
筆者がファン代表として、Zにひと言物申すならば、「ライバルは過去のZたち、それらよりもドライビングが楽しいZを目指せ!」と言いたい。
フェアレディZは日産の象徴のひとつであり、このモデルがあるからこそ日産ファンになった、という方も多くいる。スープラやポルシェと比較して買う、という方もいるだろうが、これまでのZと比べ、積み重ねた進化を見せてくれれば、おのずとファンはついてきてくれるはずだ。
日産でシャシー開発エンジニアとして、微力ながら開発に携わったこのクルマには、10年後も、20年後にも、生き残っていてほしい。
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