RAV4 PHV、GRヤリス…2ペダルで走りの楽しいクルマはどれだ?? 

齋藤聡が選んだ 走りの楽しい2ペダル車 国産車BEST5

1位:トヨタGRスープラ 価格:499万5000~731万3000円。BMW Z4との共同開発によって17年ぶりに復活したスープラ。2種類のスペックを持つ直4、2Lターボとつい先日、マイチェンで出力を向上した直6、3Lツインターボの3グレード展開
1位:トヨタGRスープラ 価格:499万5000~731万3000円。BMW Z4との共同開発によって17年ぶりに復活したスープラ。2種類のスペックを持つ直4、2Lターボとつい先日、マイチェンで出力を向上した直6、3Lツインターボの3グレード展開

 スポーツドライブはMTが一番と思っているが、そのいっぽうで高性能化した昨今のクルマでは、ATやCVT、DCTにシフト操作を任せてしまったほうが運転に集中でき、速くあるいは楽しく走れるということも否定できない事実。

 その典型的なクルマがハイパワーFR。1位に挙げたスープラはRZ、SZ-R、SZいずれも楽しく、RZは速さだけでなく緻密にチューニングされたパワーフィールや6気筒ならではの、ある種重厚感のある操縦性が感じられる。

 SZ-Rはシャープな吹き上がりとノーズの軽さからくる軽快な操縦性が特徴。SZはシャシーの素性のよさ、足回りの柔軟な動きが感じられ、煩雑なシフト操作をさぼれるぶん、集中して楽しむことができると思う。

2位:日産スカイライン400R 価格:562万5400円。2019年のビッグマイチェンで加わったV6、3Lツインターボは405ps/48.4kgmを発揮
2位:日産スカイライン400R 価格:562万5400円。2019年のビッグマイチェンで加わったV6、3Lツインターボは405ps/48.4kgmを発揮

 2位のスカイライン400Rは、その絞り出すように発揮するパワーフィールが魅力。パワフルで鋭い吹き上がりを存分に味わえる。

 操縦性は素直。ホイールベースが2850mmと長いので、全体に落ち着きのある身のこなしになっているのが感じとれる。

3位:日産フェアレディZ 価格:405万9000~651万9700円。2008年にデビューとスポーツモデルのなかでもGT-Rに次ぐ古参モデルとなっている。2020年9月16日に新型Zが世界初公開となる
3位:日産フェアレディZ 価格:405万9000~651万9700円。2008年にデビューとスポーツモデルのなかでもGT-Rに次ぐ古参モデルとなっている。2020年9月16日に新型Zが世界初公開となる

 3位のフェアレディZは、大排気量NAのアクセルとエンジンが直結しているように感じられるダイレクトなパワーフィールが魅力。

 エンジン自体も滑らかさよりも鋭さを優先した、やや荒っぽい味付け。けれども微細なアクセル操作に意外なほど素直に応答してくれるのだ。

4位:ロードスターRF 価格:346万7200~380万3800円。オープンモデルのロードスターは1.5Lだが、RFはトルクフルな2L搭載
4位:ロードスターRF 価格:346万7200~380万3800円。オープンモデルのロードスターは1.5Lだが、RFはトルクフルな2L搭載

 ロードスターRFも走るのが楽しい2ペダルスポーツとして4位に挙げたいと思う。先のマイナーチェンジでエンジンがパワフルかつ伸びやかになって、エンジンの存在感がぐっと増した。

 MTも文句なく楽しいが、案外ロールが大きいので、ATでハンドル操作に集中してRFの走りを楽しむというのも充分に魅力的な選択肢だ。

5位:トヨタRAV4 価格:265万6500~539万円。ガソリンの4WD車にはダイナミックトルクベクタリングを採用。リアのトルクを左右独立で制御し、前後輪の車輪軸に世界初のラチェット式ドグクラッチを採用
5位:トヨタRAV4 価格:265万6500~539万円。ガソリンの4WD車にはダイナミックトルクベクタリングを採用。リアのトルクを左右独立で制御し、前後輪の車輪軸に世界初のラチェット式ドグクラッチを採用

 5位に挙げたRAV4のイチ推しはダイナミックトルクベクタリング付きの4WDシステム。

 このクルマこそ煩雑なシフト操作に煩わされず、その複雑怪奇な前後左右トラクションを楽しんでほしいクルマだと思う。

松田秀士が選んだ 走りの楽しい2ペダル車 輸入車BEST3

1位:メルセデスベンツAクラス 価格:337万~798万円。2017年9月から日本に導入されたDセグのFRセダン。2Lターボ以外にディーゼルや2.9Lターボも用意
1位:メルセデスベンツAクラス 価格:337万~798万円。2017年9月から日本に導入されたDセグのFRセダン。2Lターボ以外にディーゼルや2.9Lターボも用意
2位:プジョー208 価格:239万9000~423万円。今年7月2日から販売開始された2世代目のプジョー208。ガソリン車のほか、BEVのe-208を追加
2位:プジョー208 価格:239万9000~423万円。今年7月2日から販売開始された2世代目のプジョー208。ガソリン車のほか、BEVのe-208を追加

 走りを楽しみたいならMTだよね。MTを選ばないヤツはクルマ好きじゃないしと、ボクもそう思っていた。

 でも、もうこれ都市伝説化しつつあるように思うのだ。だって、F1マシンも今や2ペダル。

 あれは速さを追求した結果だけど、こぞって欧州メーカーがなーんちゃってF1パイロットが味わえるパドルシフト付きを販売。もうMTは古いとなったワケ。

 で、MT育ちのボクが最近思うこと。MTの魅力は左手、右手、右足、左足のすべてがバラバラの操作を行う自己鍛錬型。

 つまり、運転そのものがエクササイズ。これに対して2ペダルATの魅力は、余計なものをスキップしたダイレクト(直感的)ドライビングの魅力であると。

 そしてATを楽しむなら左足ブレーキをマスターしてほしいと。アクセルからブレーキに踏み替える時、一瞬駆動が抜けてクルマは前のめりになる。

 この時、リア荷重が抜けるけど、アクセルONにかぶせてブレーキを踏めばリア荷重が残せるから安定したブレーキングができる。

 で、2ペダルATを選ぶなら多段化トランスミッションだね。メルセデスベンツA180(7速)、同A200d(8速)、新型プジョー208(8速)。

 どれも6速が直結ギヤでそれ以上は燃費のためのオーバードライブだけど、シフトする楽しみはしっかりある。

3位:アルファロメオジュリア2.0 価格:455万~609万円。2017年9月から日本に導入されたDセグメントのFRセダン。2Lターボ以外にディーゼルや2.9Lターボも用意
3位:アルファロメオジュリア2.0 価格:455万~609万円。2017年9月から日本に導入されたDセグメントのFRセダン。2Lターボ以外にディーゼルや2.9Lターボも用意

 3位に挙げたアルファロメオジュリア2.0もいい。受注生産だが500万円を切る。

 しかもFRでフロントダブルウイッシュボーン/リアマルチリンクと走りに徹したサスペンションだ。

次ページは : 2ペダルの今後の主流は多段化AT? DCT? CVT?

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