うっかり、ポチっとネットで買ったら…中古へのこだわり
「クルマは高くても、ディーラーか、新車並行を買わないと。中古並行はダメ!」。これが、ベンツを体験して得た一番の教訓だ。
ただ、この境地にたどり着いたものの、再び失敗を犯してしまう。それには、次のような経緯があった。
最初の300Eは3年ほど、次のAMGは4年ほど楽しむことができた。AMGも途中でミッションのオイル漏れが起きてしまい、その修理には80万円もかかるという。すでに16万kmも走っていたので、手放して次のクルマを買うことにした。ただし、今度は国産車のミニバン。三菱のシャリオグランディスだった。Johnnyが乗ってきたクルマでは唯一の新車だ。
「普通のクルマですが、子供と釣りに行くにはいいかなと思ったんです。3列シートだし」
しかし、次第につまらないなと思ってしまう。そんなとき、好きなお酒を飲みながらネットを眺めていると、あるクルマが目に留まった。ベンツE320だった。
「当時の相場で230万円ぐらいだったのかな。それが、ネットでは100万円で出ていた。それで思わず、ポチっと買っちゃった(笑)」
しかし、このクルマも、いわくつきだった。「ディーラーものだったので、車両点検に持っていったら、業者に『水没車ですね』と言われて」。シートヒーターが壊れていたのがその証拠だった。
「たしかに、ナビの履歴をみると、福島のほうなんです。おそらく、東日本大震災かと。やっちゃったなって(笑)」
徹底的に直したので、結果的にはいいクルマになったという。5年ほど乗って、17万kmぐらいまで走った。ただし、かけた修理費用は150万円に上った。購入価格を余裕で上回った。「中古並行ではないけど、ポチっはだめだぞって(笑)」
Johnnyの年間走行距離は今でも2万km以上はいくという。
「クルマに1日乗らない日があると、気持ちが悪いぐらいです」
中古にこだわるのは、この点に理由がある。
「3万kmや4万km走ると、ガンと値段が下がる。でもこれって、オレの1年ぐらいの距離の感覚なんです。3万kmで倍以上値段が変わるのなら、そっちのほうがいいでしょ。年間数千kmの人なら新車がいいかもしれないけど」
ベンツへの信頼は変わらず、その後もCクラスのW205、その後に220dと乗り継いでいる。
「220dは優秀ですよ。ディーゼルなんで、軽油だから燃費がいい。高速だとリッター20kmを超えるし、街中でも14~15kmはいく。それにトルクフルですよね。安定感があって、今はベンツがすごいなって思いますよ」
クルマで聴きたくなる曲
運転中は音楽をかけた。矢沢永吉やユーミン、サザンオールスターズ…。銀蝿でデビューしてからは、もちろん自分たちの曲だ。
「クルマと音楽って、セットじゃないですか。音楽のいいところは、聴くと、あのときどうしたかって思い出せるところ。銀蝿の曲はなんといっても、クルマに合いますからね」
たしかに、それは今の時代でも変わらないだろう。銀蝿のヒット曲の数々を、試しにカーステレオで流してみる。ノリの良さに背中を押され、街中を走っていても、ついアクセルを必要以上に踏みたくなってしまう。そして、何よりも大音量が似合う。
クルマは1人になれる空間でもあった。
「けっこう考えがまとまるんです。デスクで何かしているよりも、運転してるときがいい。集中力が高まる」
銀蝿時代のことだ。銀蝿の弟分だった嶋大輔に提供した大ヒット曲『男の勲章』の歌詞の2番がなかなか浮かばない。横浜の自宅から第三京浜を通って、渋谷の事務所に向かう途中、運転しながら不意に歌詞がひらめいた。
「『ガキのころ 赤トンボ 追いかけてた時の…』って出てきて。これ、いいじゃんって。締め切りの日でしたね」
その意味では、『男の勲章』はカーステレオで聴くと、一層心に響く曲なのかもしれない。「そうですね。でも、どれもクルマで聴けるような曲を作ってましたから」
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