ワイルドなコンパクトSUV「アーバンクルーザー」
アーバンクルーザーは、全長3995×全幅1790×全高1640mm、ホイールベース2500mmと、全幅はロッキー/ライズと同じ値で、全幅は95mm広く、ホイールベースも25mm短い。
最小回転半径は5.2mと、この種のSUVのなかでは一般的な値だが、全長が短いため、狭い場所でのクルマの取り回しはやりやすそうだ。
エンジンは、スズキが「Kシリーズ」と呼ぶ1.5L直列4気筒ガソリン(105ps/6000rpm、14.1kgm/4400rpm)の一本。
デュアルバッテリーを搭載するスマートハイブリッドシステム(AT車のみ)は、加速時にトルクをアシストする機能のほかにも、燃費改善のため、アイドリングストップ、ブレーキエネルギー回生が可能だ。
トランスミッションは5速MTもしくは4速ATの組み合わせで、インドで公表された燃費は5MTが17.03km/L、4速ATが18.76km/L。
また、安全装備に関しては、クルーズコントロール、ヒルホールドコントロール、緊急回避操作時に役立つABS+EBD(Electronic Brakeforce Distribution)、運転席と助手席両方へのエアバッグ、リバース時のパーキングカメラ、電気式リアビューミラーなど、ひと通り揃ってはいるが、ひとつひとつの装備内容は、日本市場のコンパクトカーと比べると、若干物足りない内容となっている。
アーバンクルーザーのインド国内価格は、84万0000ルピーから113万0000ルピー、日本円に換算すると、約121万円から163万円(1インドルピー=1.44 円換算)だ。
もし、このままの価格帯で、アーバンクルーザーが日本に上陸してきたら、爆発ヒットをしているライズやヤリスクロスも、落ち着いてはいられないだろう。
サイズ的には、アーバンクルーザーは、ライズとガチンコライバルとなる。トヨタのコントロールのもとで、国産コンパクトカーの名手である「ダイハツ」 「スズキ」双方のOEMを代理戦争をする、という構造となるが、それもまた、おもしろそうだ。
日本導入の可能性はゼロではない!!
海外で生産したクルマを輸入する場合の懸念事項としては、納期なども考えられるが、大きく懸念されるものは「コスト」と「製造品質」であろう。
コストに関しては、どこの国で生産されるかによって、人件費や輸送費、関税などがかなり変わってくるため、一概にはいえないが、すでに工場がある、より販売台数が見込める国で生産して、それを輸入したほうが、コストは抑えられる場合がある。タイ生産のキックスは、まさにそのパターンだ。
キックスは、主要販売国がタイであることに加え、今後輸出する他のアジア各国に近いこと、日本からも比較的近いこと、人件費が日本よりはかからないこと、などの効果を重視し、タイ生産としたようだ。
製造品質についても、日本から出張した生産技術エンジニアが、現地の製造担当部署へレクチャーして伝授していることで、日本での製造クオリティと違いはなくなっている。
マグナイト、アーバンクルーザー、どちらも、日本導入の可能性はなくはないが、この2台のような、比較的車両価格が安く利益が出しにくいクルマでは、海外から日本へ輸送するコストが馬鹿にできない。
日本で毎月1000台以上、売れ続ける見込みがあれば、日本導入の可能性はあるが、低いハードルではないため、なかなか難しいのではないか、というのが筆者の見解だ。
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