■ランキング・トップ10は?
10位から8位は、いわゆる「珠玉のV6」を搭載していたアルファロメオ(147GTA、GTV、156GTA)。
時代の影響を受け、ある程度エココンシャスとなった近年のアルファロメオ製エンジンと違い、この世代までのV6はガソリンとオイルは正直けっこう消費するのだが、そのぶんだけの快感をドライバーに与えてくれる背徳のユニット。
コレの味わいを知らないまま運転免許を返納するという愚だけは、どうか避けていただきたい。
クルマというものを安全かつハイスピードで運行させたい場合には、最新世代の一台を選ぶにかぎる。
だが「プリミティブな(原始的な)ドライビングの歓び」こそを感じたいのであれば、7位の元祖ミニあるいは6位のシトロエン2CVを選ぶにかぎる。
両車とも、今となっては笑ってしまうほどシンプルなメカしか使用していない(特にシトロエン2CV)。
頭脳と身体という人間特有の財産をフル活用しながら活発に走らせるミニと2CVは遅いが、こと“プレジャー”という点では現代のクルマの比ではない。
ある種の偉大な世界遺産であり、昨今は両モデルとも中古車相場がカチ上がっている。
5位のランチア デルタ インテグラーレは、エンジンの魅力だけでいうと往年のアルファV6ほどではないのだが、世界ラリー選手権で獲得した神話性とデザインのカッコよさ(男子のハートをつかむ力)に関しては銀河系内でもトップクラス。
中古相場は高騰しているが、今後はさらに高騰するはずなので、買える値段であるうちに買っておきたい。
4位の先代メルセデスベンツGクラスのショート版は、同世代のロング版や、現在新車として売られているGクラスでは絶対に味わうことができないカジュアル感と軽さが最大の魅力。
これをラフに乗りこなせる男は相当カッコいいし、モテそうな気がする。
3位のフェラーリF355については言わずもがなであろう。いかにもフェラーリ然とした可憐な造形。
ターボエンジンとは何もかもが違う、最高の音色を伴った自然吸気V8エンジン。
ぜひもう一度新車として出してほしいものだが、無理なので、我々はその中古車を探すしかないのだ。
自然吸気エンジンならではの魅力といえば、2位の先代メルセデスべンツC63 AMGもまさにそれだ。
ほぼレーシングスペックともいえる6.2LのM156型自然吸気V8エンジンは、猫も杓子もダウンサイジングターボとなった今だからこそ注目したい珠玉の名機(ただし自動車税はけっこう大変)。
そして1位にはタイプ964のポルシェ911を置いたが、これは「便宜上」である。
1位は964の1コ前の930でも、1コ後の993でもいい。とにかく「空冷エンジンを搭載していたポルシェ911」は、当たり前だが新車としては二度と手に入れることができず、そしてクルマ好き(あるいは運転好きや機械好き)であれば99.9%の確率で虜になること間違いなしの“味”を備えている一台。
これまた、免許を返納するまでの間に一度は乗ってみるべき、中古でしか買えない世界遺産だ。
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