クルマ界にジンクスあるか? ジンクスを打ち破ったクルマの秘密とは?

ジンクス:初代モデルがヒットしたホンダ車の2代目は売れない

ミニバンブームを作ったといわれるほど大ヒットした初代オデッセイ
ミニバンブームを作ったといわれるほど大ヒットした初代オデッセイ

 1990年代までのホンダ車には「初代モデルはクルマのできはともかく、コンセプトが新鮮だったためヒットしたけど、2代目モデルは初代モデルのようには売れなかった」ということがよくあった。

 その例としてはオデッセイ、CR-V、ステップワゴン、インスパイアの初代モデルなどがあり、ヒットしたモデルの2代目がそれほど売れなかった理由には、2代目モデルを初代モデルのキープコンセプトとしたことでユーザーから飽きられてしまった、というのがある。

 そして、キープコンセプトとしたことで2代目モデルが出たときには他社からも似たクルマが登場しており、他社のクルマにアドバンテージがあると他社に流れてしまう、といったことが思い浮かぶ。そういったクルマはホンダ以外でもプリメーラ、ディアマンテ、イプサム、エルグランドなどがある。


■そのジンクスを打ち破ったクルマ→2代目フィット

2代目フィット。初代のキープコンセプトながら、商品力を高めて他社が追い付けない水準にまで進化した
2代目フィット。初代のキープコンセプトながら、商品力を高めて他社が追い付けない水準にまで進化した

 「初代モデルがヒットしたホンダ車の2代目モデルがそれほど売れない」というジンクスを打破した最初の例がフィットである。

 2代目フィットも広さ、安さ、低燃費、明るい雰囲気を理由にヒットした初代フィットのキープコンセプトだが、2代目フィットは初代フィットの美点をさらに伸ばし、他社が同じようなクルマを造れない、他社が追いつけないほど進化したことで好調に売れた。

 またフィットのコンセプトは現行型4代目モデルまで初代モデルからそれほど変わっておらず、初代モデルが築いたコンセプトの確かさもフィットが今も好調に売れている大きな理由だろう。

 フィットに近い例としてはN-BOXとフリードがあり、この2台も初代モデルのコンセプトの確かと完成度の高さにより、2代目モデルの登場から時間が経った今も好調に売れている。最近のホンダ車には、このジンクスは通用しなくなっているのかもしれない。

ジンクス:5ドアセダンは売れない

1987年5月に登場したスプリンターシェロ。従来のスプリンターリフトバックに代わるスプリンター専用モデル。スペイン語で天空という名が示すようにリアビューをガラスとして開放的なキャビンが特徴
1987年5月に登場したスプリンターシェロ。従来のスプリンターリフトバックに代わるスプリンター専用モデル。スペイン語で天空という名が示すようにリアビューをガラスとして開放的なキャビンが特徴

 1990年代までコロナSF、スプリンターシエロ、3代目ランサー、4代目パルサーなど、日本車にもバックドアを持つ5ドアセダンはそれなりにあったが、ヒットしたクルマはなかった。

 その理由としては1990年代まで日本人は5ドアハッチバックより4ドアセダンを好む傾向が強く、5ドアセダンにまで興味を示さなかった。そして、5ドアセダンより5ドアハッチバックのほうが大きなものを積みやすい、といったことが考えられる。

 イギリス生産のP10プリメーラ2.0eGTやクイントインテグラなどの5ドアモデルが記憶の片隅には残っているがいずれもヒットはしていないはずだ。


■そのジンクスを打ち破ったクルマ→2代目プリウス

2003年9月発売の2代目プリウス。10・15モード燃費35.5km/Lという数値は当時世界最高レベルだった
2003年9月発売の2代目プリウス。10・15モード燃費35.5km/Lという数値は当時世界最高レベルだった

 このジンクスを打破したのが2003年登場の2代目プリウスで、2代目プリウスは「空気抵抗の低減とキャビン、ラゲッジスペースの確保を高次元でバランスできるボディ形状」という理由で5ドアハッチバックボディを採用。

 2代目プリウスはハイブリッドカーへの注目と、モデルサイクル後半はガソリン価格高騰により人気車となり、空前のヒット車となった3代目モデルを経て、現行型4代目モデルも堅調に売れている。

 プリウス以外でヒットした5ドアセダンの日本車としては5ドアセダンということがプリウスのアイコンとなっているのは確かだ。

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