スープラ、レクサスLFA…日本を代表する自然吸気エンジン5選

■トヨタ2JZ-GE型/A80スープラ

トヨタスープラ
トヨタスープラ

 1991年、M型エンジンの後継機としてデビューしたのが2887ccの2JZ-GE型直列6気筒DOHC。その前年(1990年)には2491ccの1JZ-GE型直列6気筒DOHCも登場している。こちらは日産のRB系に対抗する形で用意された。

 3Lの2JZ-GE型エンジンはスクエア設計で、切れ味鋭い加速を見せつける。しかも実用域でトルクが太く、扱いやすいのが美点だ。応答レスポンスが鋭く、クルージング時は静粛性も高いレベルにある。

 プレミアムセダンだけでなく、スープラやアリストなど、スポーティモデルにも搭載され、好評を博した。

 この2JZ-GE型と1JZ-GE型エンジンは、1995年に第2世代に進化している。バルブタイミングを連続的に制御し、幅広い領域で高性能と良好な燃費を引き出せる連続可変バルブタイミング機構のVVT-iを採用し、ドライバビリティに磨きをかけた。21世紀には直噴システム(D-4)を採用したハイメカツインカムの2JZ-FSE型も登場する。

■三菱4G92型/ミラージュサイボーグ

三菱ミラージュ
三菱ミラージュ

 ミラージュは1985年から「ミラージュカップ」と名付けられたワンメイクレースを開催し、このレースにホッテストバージョンを送り込んでいた。

 1992年10月、V型6気筒エンジンも設定する4代目のミラージュに究極のホットハッチ、サイボーグRとRSを加えている。心臓は可変バルブタイミング機構にリフト機構を組み合わせた「MIVEC」エンジンだ。

 型式4G92の直列4気筒DOHC4バルブで、排気量は1597ccである。最高出力は175ps/7500rpm、最大トルクは17.0kgmをなんと7000rpmで発生した。

 ミラージュは1995年に5代目にバトンを託している。ZRを主役とするサイボーグシリーズにはモータースポーツ参戦のベース車両も用意された。

 搭載するのは、6000回転から上が刺激的な4G92型MIVECエンジンだ。スペックに変更はないが、全長とホイールベースを短くしているから、意のままの気持ちいい走りを存分に楽しむことができた。

 ホンダのシビック、日産のパルサー、トヨタのレビン/トレノと熱いライバル争いを繰り広げ、なおその中で頭ひとつ抜き出ていた。

■スズキG13B型/カルタス

スズキカルタス(写真は1986年式GT-i)
スズキカルタス(写真は1986年式GT-i)

 20世紀を代表するスズキのホットハッチがカルタス1300GT-iだ。初代モデルは1986年に鮮烈なデビューを飾った。

 ファミリー系のエンジンは1324ccの直列4気筒SOHCだが、モータースポーツでも使えるように排気量を1298ccに下げている。

 また、高回転まで回るようにDOHC4バルブヘッドを架装し、燃料噴射装置を装着した。パワーバンドは狭く、ピーキーな特性だったが、操る楽しみがあるエンジンだ。しかも車重は730kgと軽量だから加速も冴えている。

 2年後の1988年、カルタスは第2世代のAF34S型にモデルチェンジした。リーダーの1.3GT-iが積むのは、進化版のG13B型DOHC4バルブだ。

 圧縮比を11.5に高め、インマニやエキマニの変更、プレミアムガソリン化によって115psを達成している。振動が弱点だが、8000回転まで元気に回り、驚くほどパワフルだ。

 が、当時のスズキはハンドリングが悪く、曲がらないから大変だった。それでもあの刺激的なエンジンは衝撃だった。

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