■燃費のいいSUVはHVかクリーンディーゼルか?
以上のようにハイブリッドを好調に売るには、NAエンジンと比べた時の燃費向上率が1.4倍以上と大きく、なおかつNAエンジンとの価格差を40万円以下に抑える必要がある。
この典型がヤリスクロスハイブリッドで、ハイブリッド比率が60%に達したのも納得できる。レクサス UXは価格は高めだが、ハイブリッドの価格上昇を抑えた。
そしてハリアーは、2LNAエンジンとの価格差が59万円に達するものの、ハイブリッドの走りはハリアーの上質感と親和性が高い。ハリアーではハイブリッドGの推奨度が最も高い。
このようにハイブリッドのSUVはトヨタの天下だ。今後の動向としては、内外装やグレード構成が公表された次期ホンダヴェゼルのe:HEV(ハイブリッド)が注目される。
そして車種は少ないが、クリーンディーゼルターボも魅力的だ。燃費効率が優れ、軽油価格も安いから、走行コストをハイブリッド並みに下げられる。しかもNAエンジンとの価格差は、ハイブリッドよりも少ない。実用回転域の駆動力も高く、運転もしやすい。
ただしディーゼルは、NAガソリンエンジンやハイブリッドに比べて、高回転域の吹き上がりが鈍く、車種によってはノイズも気になる。違和感が生じることもあるから、試乗は入念に行いたいが、運転感覚が気に入れば選ぶ価値は高い。
■SUVの極悪燃費車はどれだ? SUVワースト燃費ランキング
■SUVの燃費ワースト5車
1位:レクサス LX570 4WD:6.6km/L
2位:トヨタ ランドクルーザー4WD ZX:6.7km/L
3位:トヨタ ランドクルーザープラド2.7 4WD:8.3km/L
4位:レクサス RX300 4WD:10.4km/L
5位:レクサス NX300 4WD Fスポーツ&バージョンL:11.2km/L
■SUVのワースト燃費ランキング1位:レクサス LX570/6.6km/L
次はワーストモデルを取り挙げる。
最も燃費の悪い車種はレクサス LX570で、WLTCモード燃費は6.6km/Lだ。しかも使用燃料がプレミアムガソリンだから、レクサスLX570の燃料代は、ヤリスクロスハイブリッド5台分に相当する。この燃費数値はGT-Rの7.8km/Lを下まわり、国産乗用車の中でもワーストモデルになる。
LX570のエンジンは、V型8気筒5.7Lで、車両重量は2760kg(3列シート)と重い。
全幅は1980mm、全高も1910mmだから空気抵抗も大きい。4WDは常に4輪を駆動する悪路向けのセンターデフ式だから、今のSUVに多く使われる多板クラッチ式4WDに比べて、パワーロスも上まわる。このように不利な条件が重なった。
■SUVのワースト燃費ランキング2位:トヨタ ランドクルーザー/6.7km/L
ワースト2位はトヨタ ランドクルーザーで、WLTCモード燃費は6.7km/Lだ。レクサス LX570のベースになった悪路向けのSUVで、エンジンはV型8気筒4.6Lを搭載する。ZXの車両重量は2690kgだ。
LX570よりは少し軽いが、全幅は1980mm、全高は1870mmだから空気抵抗も大きい。燃料の消費量も増えた。
■SUVのワースト燃費ランキング3位:トヨタ ランドクルーザープラド/8.3km/L
ワースト3位はランドクルーザープラドの直列4気筒2.7Lガソリンエンジン搭載車だ。WLTCモード燃費は8.3km/Lになる。車両重量は2050~2100kgと重い。
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