■ハリアー VS BMW X4
この組み合わせは「いいクルマ」の基準をどうするかが問題。
X4はクーペであることを前面に打ち出したBMWならではの自称「SAC=スポーツアクティビティクーペ」だ。スタイリングが命なので、視界や車内の広さはそれなりに制約を受けているし、走りもかなりスポーティに味つけされていて乗り心地は硬め。それらが気になるという点では、「いいクルマ」の条件から外れるといえなくない。
かたやハリアーも、X4ほど奇抜ではないにせよ、かつてないほど思い切った。とはいえ基本的には万人向けのキャラなので、乗り心地や広さの面でそれほど気になることもない。
走りもX4ほどスポーティさを追求しているわけではないが、TNGAも効いて、「走りがよい」という印象ががぜん高まった。そのあたりは積極的に評価してよいと思う。
一部の層に「欲しい!」と思わせる力や、乗った人に「凄い!」と感じさせるなどクルマとしての面白味ではX4が上回り、完成度も高いことには違いないのだが、いわゆる「いいクルマ」のイメージに近いのはハリアーのほうかな。
(TEXT/岡本幸一郎)
●いいクルマ指数
・ハリアー…9
・BMW X4…8
■シエンタ VS BMW2シリーズグランツアラー
走行安定性、操舵に対する車両の反応、内装の質、シートの座り心地はグランツアラーの圧勝だ。その代わりシエンタは、薄型燃料タンクによって床が低く、3列目の居住性も快適だ。
3列目を2列目の下側に格納すると、広い荷室になる。乗降性もスライドドアのシエンタが優れている。つまり走り関連はグランツアラー、使い勝手はシエンタが勝る。さらにシエンタの価格は、グランツアラーの約半額だから買い得だ。
(TEXT/渡辺陽一郎)
●いいクルマ指数
・シエンタ…8
・BMW 2シリーズ…5
■C-HR VS DS3クロスバック
今日のSUVは、カッコよさと実用性を両立させて人気を高めた。特にC-HRとDS3クロスバックは、デザインの楽しさを大切にしている。
C-HRも外観はスポーティで個性的だが、真横から見た時の姿などは、DS3クロスバックのセンスに負ける。C-HRの外観は、塊感を伴う正統的なカッコよさだが、DS3クロスバックには絶妙に崩した遊びもある。
DS3クロスバックでは、インパネを筆頭に内装も遊んでデザインされたが、悪ふざけには陥っていない。対するC-HRは、視認性や操作性は優れているが、デザインは平凡だ。
C-HRの外観は、DS3クロスバックほどではないものの相応に踏み込んだのに、内装では全然遊んでいない。そして外観は乗員から見えないので、運転中のC-HRは普通のSUVだ。
その点でDS3クロスバックなら、常に個性的なクルマに乗っている実感を味わえる。愛車で出かける時は、服装にもこだわりたい気分にさせる。
この2車種にとって、機能以上に大切なデザインで、DS3クロスバックはC-HRの先を走っている。
(TEXT/渡辺陽一郎)
●いいクルマ指数
・C-HR…5
・DS3クロスバック…8
コメント
コメントの使い方