■フリードクロスター:ノーマルよりワイルドなアウトドア風
ここからは代表的な“なんちゃってクロスオーバー車”を見ていきたい。ホンダはフリードとフィットに設定した「クロスター」は手軽な仕立てで、クロスオーバーSUV風に仕立てている。
フリードのクロスターの登場は2019年10月とフィットより先行して登場、前後バンパーやフロントグリルを変更した手法は共通する。
フリードクロスターは、フロントグリルとバンパー、アンダーガード、サイドシルガーニッシュ、リアロアスポイラー、ルーフレール、専用アルミホイールを装備し、クロスオーバーテイストに仕立てているが、最低地上高は標準モデルと同じ、FFが135mm、4WDが150mmとほかの車種と変わらない。
標準モデルのフリードとは異なる専用エクステリアが与えられているが、樹脂製のホイールアーチがなく、最低地上高は標準モデルと変わらない。
ではなぜ樹脂製パーツを装着しなかったのか? 樹脂製フェンダーを装着すると全幅が増して3ナンバー車になり、ボディに沿って開閉するスライドドアの設計変更も必要になるからだという。
開発段階では、ホイールアーチに樹脂風のステッカーを貼ることも検討したが、生産しにくく断念したという。最低地上高なども同じだからSUVらしさは希薄だが、標準仕様に比べ22万円前後の価格アップはお買い得かもしれない。
■ホンダフリードクロスター
1:ボディサイズ/全長4265×全幅1695×全高1710(4WD:1735)mm
2:最低地上高/135mm(4WD:150mm)
3:四輪駆動方式/油圧多板クラッチ式
4:ポイント/2019年10月のマイナーチェンジで設定。実用性の高さに加え、ファッション性の向上を狙う
■フィットクロスター:グリルもあり標準モデルに比べ力強く豪華に見える
フィットのクロスターはフルモデルチェンジで加わったフィットの一員ということもあるのか、エクステリアはグリルレスの標準系に対しグリルが設けられ、専用の前後バンパーやクロスオーバーらしいホイールアーチプロテクター(フェンダーの樹脂部分)が付くなど、新型フィットにおけるポジションの違いを感じる。
モデルラインナップが長くなってきて、リフレッシュの意味合いで追加されたモデルではなく、最初からラインナップに入れることを考えて作られたモデルなので、なかなかうまくまとまっているのだ。
なお前後パンパーとホイールアーチプロテクターの追加によりクロスターのボディサイズは標準系に対し全長で95mm、全幅で30mm拡大され、フィット史上初の3ナンバーボディとなるのが最大の特徴だ。
インテリアもアウトドアなどでの使用も考慮し、シートに加えアームレストなども撥水加工されたものとなる。
そしてフリードのクロスターに対し最大の違いといえるのが最低地上高だ。標準車と変わらないフリードクロスターに対し、フィットクロスターは15から16にインチアップされたタイヤとサスペンションの変更により、FFで標準系より25mm高い160mm、4WDは5mm高い155mmとなる。
■ホンダフィットクロスター
1:ボディサイズ/全長4090×全幅1725×全高1545(4WD:1570)mm
2:最低地上高/160mm(4WD:155mm)
3:四輪駆動方式/ビスカスカップリング式
4:ポイント/多様な車種設定のひとつとして設定。樹脂製フェンダーガーニッシュなどを与えてクロスオーバー化した
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