【マイケル・ジャクソン絶賛!?】あのバットモービルが登場する!! ティム・バートン版「バットマン」を振り返る

■あのスーパースターも欲しがったバットモービル

悪趣味ギリギリのクールかつ絶妙なデザインのバットモービル。ギミックも満載
悪趣味ギリギリのクールかつ絶妙なデザインのバットモービル。ギミックも満載

 そんなバートンが、もうひとつこだわったのがバットマンカーことバットモービル。

 バットマンスーツと同じようなカーボンで作られ、ペイントも同じように夜の闇に溶け込みやすいマットなブラック。無人走行が可能で、バットマンが呼べばすぐに駆け付けるし、バットマンの音声に反応して起動する仕掛けになっている。

 楽しいのはそのさまざまな機能。全体をクローム製のシールドで保護するのは珍しくはないかもしれないが、タイヤのホイールの部分から、昔の漫画でよく描かれていた真ん丸な爆弾をポトリと落としたり、車のボンネットの両側にマシンガンが装備されていたり、角を曲がるときは、飛び出したフックを鉄柱等に巻き付け減速なしでコーナリングしたり。

 カーデザイン自体は流線形を活かし、後部にコウモリのような羽根を施したクールなものなのだが、その車の特殊機能ひとつひとつの表現がコミックっぽいというかアニメっぽくて、車が能力を発揮すると同時についつい笑いが起きてしまう。

 クールな見かけとのギャップがバートンらしく、こちらも前代未聞のオフビートなバットモービルになっている。さすがに、この笑える要素は誰も受け継いではいないけれど。

 バットモービルの製作費は当時の金額で200万ドル(2憶8000万円)。全長6メートル、総重量は1.36トン。

 フロント部分のタービンエンジン、リアのブースター等は実際のジェット機の部品を使用し、デザイン的には1930年代のボンビネル・スピードウェイに参加したクラシカルなデザインのレースカーや、1960年代のシボレー・コルベット・スティングレイ等を参考にしたという。

 公開時の逸話には、あのマイケル・ジャクソンがこのバットモービルをいたく気に入り、100万ドルで譲って欲しいと申し出たというニュースもあった。

 プロデューサー側が出した条件は「続編に出演してくれたら」というものだったが、どうやら実現はしなかったようだ。ジャクソンも欲しがるようなクールなデザインだったということだ。

●解説●

 ゴッサムシティのギャング、ジャック・ネピアは有毒廃液タンクに落とされ怪人となって生還。ジョーカーと名乗り街を大混乱に陥れた。そこに登場したのはマスクを着けた謎の男バットマン。果たして彼の正体は!?

 DCコミックの人気ナンバー1のスーパーヒーロー、バットマンを主人公にした最初の映画は1966年の『バットマン オリジナル・ムービー』。

 これはTVシリーズの映画版で、バットマンを演じているのはTVと同じアダム・ウェスト。バットモービルもTV版の1955年型のリンカーン・フューチュラのコンセプトカーだった。

 それから22年後に作られたバートン版の『バットマン』から新生『バットマン』シリーズが始まるわけで、その続編として同じくバートンによる『バットマン リターンズ』(1992)、1995年にはヴァル・キルマーがバットマンを演じた『バットマン フォーエヴァー』、1997年にはジョージ・クルーニーがバットマンの『バットマン&ロビン』が作られた。

 ティム・バートンが外れてからは迷走が続いていたシリーズを立て直したのはクリストファー・ノーラン。『バットマン ビギンズ』(2005)から始まる『ダークナイト』3部作を手掛け、バットマンをよりリアルでダークなスーパーヒーローに作り替えた。

 ヒーロー同様、監督によってバットモービルも大きく違うので、ノーラン版もいつかこのコラムで紹介してみたい。

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『バットマン』
ブルーレイ 2,619円(税込)/DVD 1,572円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
BATMAN and all related elements are the property of DC Comics TM & (C) 1989. (C) 1989 Warner Bros. Entertainment Inc. TM & (C) 1998 DC Comics. All rights reserved.

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