2022年9月英国は偉大な象徴を失うことになった。エリザベス2世女王が96歳で崩御されたのだ。世界中はもちろんのこと日本でも大きな話題となったのでご存じのかたも多いだろう。
そんな女王と日本でも人気の高かったダイアナ妃が登場する映画『スペンサー ダイアナの決意』が2022年10月14日に公開された。その魅力をお伝えしよう。
文/渡辺麻紀、写真/STAR CHANNEL MOVIES(トップ写真=Pablo Larrain)
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■エリザベス2世とダイアナ
2022年9月8日、70年もの長きにわたりイギリスとイギリス国民を支え続けて来たエリザベス2世女王が96歳で崩御した。イギリス人のみならず、世界中の人々に深く愛されていたことは、世界中のメディアによるさまざまな報道からも伝わり、改めてその偉大さに触れた人も多かったように思う。
そんなエリザベス女王の最大の危機と言われているのが、1997年8月31日に起きた元プリンセス・ダイアナの交通事故死だ。
すでにチャールズ皇太子とは離婚していたとはいえ、世界中の目は相変わらずダイアナを追いかけ、その一挙手一投足が話題になっていた。そのせいで、当時の恋人とされるエジプト人の富豪とともにパパラッチに追いかけられ、交通事故を起こしてふたりともが亡くなってしまったのだ。
世界中が悲嘆に暮れるなか、エリザベス女王はどういうコメントを、どういうタイミングで出すかが注目されていていたのだが、王女は地方の城に閉じこもったまま表舞台に現れなかった。
マスコミも国民も女王の非情さを責め立て、王室廃止論まで飛び出したが、最終的に女王の述べたスピーチは感動的なもの。再び国民は女王に拍手を送ったという。
この間のエリザベス女王の葛藤については『クィーン』(2006)という映画にも詳しいので、そちらをご覧になることをお勧めする。
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