【いいデザイン2】ハスラー 「そのユルさがたまらない」
ハスラー:110万520~170万5320円
登場からすで5年たつが、いまだその傑作デザインぶりは色あせていない。
ハスラーは、Keiの後継モデルといわれるが、Keiが比較的マトモにSUVっぽかったのに対して、ハスラーはワゴンRのアウトドア版的な、はるかにユルい脱力系の香りが漂っている。
つまり、なんちゃってSUV的なのだが、その脱力感とワゴンR譲りの居住性の高さが、独特のかわいらしさや腕白感を醸し出して大ヒットにつながった。
ユルい雰囲気でありながら、前後オーバーハングは短く、最低地上高も180ミリを確保しているので、走破性はかなり高い。ちゃんと走りそうな気配があるところがまたイイのだ。
ハスラーのデザインは、大ヒットは狙わないスズキ的な無欲さゆえの思い切り感が濃厚だ。だからこそ、王道を大きく外したユニークなデザインが生まれるのだ。つまりハスラーは、瓢箪から駒で大ヒットになった初代ワゴンRに近いだろう。
しかも、ハズシ技のハスラーが大ヒットしたからこそ、新型ジムニーは徹底的に機能に徹した本格的オフロード4WD的なデザインにすることができたのだから、瓢箪から駒が、また駒を生んだことになる。
【いいデザイン3】イグニス 「本格的ヨーロピアンデザイン」
イグニス:138万2400~177万8600円
小型クロスオーバーSUVで、踏ん張り感の強い台形の断面を持っている。そのデザインテイストは明らかにヨーロピアンだが、決して欧州市場だけを狙ったわけではなく、まず日本市場に投入され、その後欧州やインドでも販売が始まっている。
ヨーロピアンなフォルムであるがゆえに、居住性は軽ハイトワゴンにも大きく劣る。おかげで日本市場では苦戦しているが(今年1~5月の販売台数は1890台)、そのデザインは随所にセンスが光っている。
まず、クロスオーバーSUVでありながら、いかにも走りそうなたたずまいだ。
ハスラーや歴代ワゴンRなど、「遅いデザイン」で数々のヒットを飛ばしてきたスズキだが、イグニスはその逆でありながら、しっかりカッコよくまとまっている。ただリアビューは、オーバーフェンダーが強調されすぎていて、スッキリ小粋なフロントとのバランスを欠いているのが惜しいが。
インテリアは、チープな素材でオシャレに仕上げたイタリアンテイスト。このあたり、トヨタや日産には、逆立ちしてもマネできまいて。イグニスを見ると、スズキデザインの懐の深さがよくわかる。
そのほか現行モデルのデザインでは、軽自動車として屈指のカタマリ感を持つアルトや、かわいいヌイグルミ系デザインの傑作・ラパン、ヨーロピアンデザインのスイフトが光っている。
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