【マーチR、ブーンX4、アルトワークス…】闘うために生まれた小さなクルマ5選

ダイハツブーンX4

デビュー:2006年
全長3630×全幅16650×全高1550mm、980kg、936cc、直4DOHC+ターボ、133ps/13.5kgm
デビュー時の価格:204万7500円

 ストリーアの後継車となるブーンにストーリアX4同様に設定された競技ベース車。

 4WDで日本国内のラリーやダートトライアルをターゲットにしているのはストーリアX4と同じであるが、ブーンX4も軽自動車の4気筒エンジンベースにこちらは排気量を936ccに拡大(133馬力、これもマーチRと同じように過給係数込みでモータースポーツの1.6Lクラスに出られるようにするための配慮)。

ストーリアの後継のブーンにもX4が設定された。ストーリアX4が713ccだったのに対しブーンX4は936ccに排気量アップ。クラスは上がったが戦闘力も大幅向上

 クロスミッションやインプレッサWRX STIのようなインタークーラーウォータースプレーなども装備した。

 またブーンX4にはエアコンやキーレスエントリーといったひと通りの快適装備が揃うハイグレードパックが設定されたのも特徴だ。

ブーンX4は走行性能はスパルタンだったが、快適装備が充実したハイグレードパックが用意されていたため、ストーリアX4より日常の足として使えた

 このクルマがデビューした時に、ダイハツがWRC参戦かと色めき立ったのが懐かしい。

 競技ベース車らしくノーマルでは「楽しいけど乗りにくい」という印象だったが、手を加えるとガラリと戦闘力が高まるクルマだった。

ブーンX4はグラベルで強さを発揮。一見重心が高そうに見えるボディだが、4WDによるトラクション性能に優れ信頼性も高かったのでラリーで強かった

スズキアルトワークスR

3代目(ワークスとしては2代目)
デビュー:1992年
全長3295×全幅1395×全高1400mm、680kg、657cc、直3DOHC+ターボ、64ps/8.7kgm
デビュー時の価格:115万3000円

4代目(ワークスとしては3代目)
デビュー:1995年
3295×全幅1395×全高1385mm、700kg、658cc、直3DOHC+ターボ、64ps/11.0kgm
デビュー時の価格:118万5000円

1992年6月にダイハツミラX4Rに対抗するためにアルトワークスRをデビューさせた。駆動方式は4WDのみで、クロスミッションなど闘うアイテム満載

 軽自動車の排気量が660ccになった、現在のものからすると旧規格になる3代目(ワークスとしては2代目)と4代目(ワークスとしては3代目)のアルトには主に日本国内のラリーを見据えたワークスRが設定されていた。

 3代目アルトワークスRは機能面では専用タービン、ビックスロットル、専用コンピューター、クロスミッション、ファイナルギアのローギヤード化、インテリアではアンダーコート(キャビン床の防音剤)の省略。

 シートは交換前提のためバン用、エクステリアも黒いミラーに鉄ホイールで、そもそも緩い排ガス規制で市販するため4ナンバー登録という見るからにスパルタンなクルマであった。

 4代目アルトのワークスRでは3代目の内容に加え鍛造ピストンやハイカムといったエンジン内部、インタークーラーやラジエーターファンといった冷却の強化も施された(こちらは5ナンバー登録)。

 これだけ市販状態でモータースポーツでの使用を考えたクルマだけに、アルトワークスRは特に3代目モデルが全日本ラリーと全日本ダートトライアルで2年連続チャンピオンを獲得する活躍を見せた。


アルトとしては4代目、アルトワークスとしては3代目のRS/Z(写真)をベースに競技ベース車両のアルトワークスRが誕生(1995年5月)

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