初代スイフト
販売期間:2000~2006年
スイフトという車名は元々カルタスの輸出モデルにつけられたものだったが、日本市場では2000年にデビューしたのが初代スイフトとなる。
当時のスズキは軽自動車をベースに全長を伸ばし、拡幅したコンパクトカーを販売していたが、初代スイフトはワゴンR+をベースにハイトワゴンコンパクトに仕上げられていた。つまり初代スイフトもワゴンRを拡大版のひとつということになる。
軽自動車メーカーとしては実績のあるスズキだが、コンパクトカーマーケットの牙城は高く、ライバルメーカーは強力なモデルをラインナップ。
スキマを狙うのも難しいほどライバルが群雄割拠するなか、スズキが見つけ出したスキマは低価格というスズキが得意とする分野だった。
全長3615×全幅1600×全高1540mmの軽自動車ベースとはいえ立派なボディに、1.3L、直4DOHC(88ps/12.0kgm)を搭載しながら、最も安いグレードのSE-Zは82万3000円と軽自動車よりも安い価格で登場。
2002年の改良でなんと最廉価グレードのSE-Zは値下げして79万円という衝撃的なプライスタグをつけるに至った。
衝撃的安値はトヨタと言えどもマネできないスズキのお家芸と言っていいだろう。
初代エスクード
販売期間:1988~1997年
1980年代後半になってクロカンが大人気。クロカンとはクロスカントリーの略で、当時はSUVというジャンルは確立されていなくて、オフロードを本格的に走ることができるラダーフレームを持った4WD車が主流だった。
当時の日本車のクロカンのラインナップを見ると、大きいか小さいかどちらか。下はジムニーの独壇場で、上はトヨタのランクル80&ランクル70、ハイラックスサーフ、三菱パジェロ、ダイハツラガーと5ナンバーの中間的サイズのクロカンがなかった。
そのスキマ的ポジションに着目したスズキが投入したのが初代エスクード。デザインはお世辞にも洗練されているとは言えないが、街中も走れるシティクロカンという新ジャンルを構築。
トヨタRAV4、ホンダCR-Vが登場するまでマーケットを独占。海外でも販売され特にイタリアでは初代エスクード(輸出名ヴィターラ)は大ヒットした。
そのエスクードもモデルを経るごとに大型化され、スキマではなくなり存在感が薄くなってしまったのが残念。
初代アルトラパン
販売期間:2002~2008年
2011年の東京モーターショーにコンセプトカーを出展後、2カ月後には市販モデルをデビューさせてアッと驚かせたのが初代アルトラパンだ。
実はラパンが登場した背景には、ダイハツのミラジーノの予想外のヒットというものがあり、そのミラジーノの対抗馬として市場に送り込まれた。
20世紀から21世紀に切り替わるあたりにスズキは女性ユーザーの軽自動車離れということに頭を悩ませていた。そこに来てライバルのダイハツはミラジーノが女性に大人気ということでスズキも珍しく焦ったはず。
そのラパンは、RAPIN(フランス語でウサギ)はスズキ車としては珍しくオリジナルのエンブレムが与えられた影響などもあり、アルトと名前はついているものの、ラパンとして急速に認知され一躍スズキの人気モデルになった。
その女性をターゲットとしたラパンだが、2003年には一転男性ユーザーをターゲットとしたラパンSSを追加。かわいさを強調したノーマルのラパンとは違い、スポーティ感を演出。このようにスキあらば積極的な攻勢をかけるのがスズキの凄いところ。
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