こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】シャア専用カスタム[オーリス]の注目度は通常の3倍!?

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】シャア専用カスタム[オーリス]の注目度は通常の3倍!?

■オーリスをベースに赤い彗星のイメージを忠実に再現

 車両のデザイン、製造を担当したのはトヨタモデリスタインターナショナル(現トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)で、ベース車はトヨタ・オーリスのRS Sパッケージが選ばれた。

 「SMART DYNAMISM」をデザインテーマに掲げ、低重心パッケージを活かしたダイナミックなスタイルを特徴としていたモデルだけに、シャア専用へのカスタマイズのベース車としては相応しい車種だったと言えるだろう。

 「オーリス RS S Package シャア専用カスタマイズパーツフル装着車」としてフルコンプリート車として販売するだけでなく、「パーソナルカスタマイズ」と銘打って、ユーザーのこだわりに合わせてオリジナルパーツを選択し、パーツの組み合わせや装飾を施すことで、自分だけの唯一無二のシャア専用オーリスを作り上げることも可能だ。すでにオーリスを所有しているオーナーが、ガンプラを楽しむかのごとくカスタムできるというわけだ。

 用意されたアイテムは全19種類。シャアのイメージカラーである赤をモチーフとした内外装のほか、キーケースや車検証入れのようなアクセサリーも選べる。外装パーツは、モビルスーツらしさを重視したデザインとし、フロントとリヤのトヨタエンブレムはすべてジオン公国の紋章に変更され、いずれもLEDで発光するという仕掛けが施されている。

 ジオン公国のエンブレムはボディサイドやステアリング、プッシュ式のスタートスイッチにもあしらわれ、ホイールにも「ZEONIC TOYOTA」の文字が刻まれている。さらにルーフには隊長機であることを示す角型のブレードアンテナが装着され、マフラーエンドもモビルスーツのスラスターをイメージした造形となっている。

インテリアパネルは赤でコーディネートされ、シャア専用機としてのデザインがなされる
インテリアパネルは赤でコーディネートされ、シャア専用機としてのデザインがなされる

 “シャア専用”であることやモビルスーツをモチーフにしていることへのこだわりは、車両型式にも見て取れる。シャア専用オーリスの車両型式は「MS-186H-CA」という特別なものが与えられた。ガンダムファンならご存知と思うが「MS」とはジオン公国軍のモビルスーツに与えられる型式のことである。オーリス RS Sパッケージを示す「186H」はそのままとして、末尾に「CA」を加えている。このCAとは「Char Aznable」の専用機であることを示している。

 走行性能については、ベース車から変更はない。「シャアと言えば3倍のスピード」とあって、「ジオニックトヨタ」に登録し、プロジェクトに参加したユーザーのなかには、“3倍速くしてほしい”という意見もあったようだが、走りに影響を及ぼす領域のカスタムは施されていない。シャア専用オーリスはエースパイロットが乗るクルマにふさわしいスピード感を表現するため、“3倍”速そうな雰囲気の演出に注力している。

 ちなみにシャア専用ザクは、もともと高い機動力を有していたザクの機動性をさらに引き上げるべく、推進ユニットのリミッターを解除。これによりシャア専用ザクは推進力が通常の機体よりも30%増しになっていた、という逸話がある。もちろん、パフォーマンスを高めるチューニングによって高度な操縦技術が要求されるが、シャアはモビルスーツの操縦に関して類稀なセンスで“通常の3倍のスピード”をコントロールしていたそうだ。

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