モータースポーツ界には数々の親子鷹が存在する。F1では昨年チャンピオンを獲得したマックスとヨスのフェルスタッペン親子、ミックとミハエルのシューマッハ親子など。元WRCチャンピオンと現役F1ドライバーのサインツ親子といった変わり種も。
こういったドライバーは子供をラリーやレースの現場に連れてくることがある。今回はラリーの現場で目撃したWRCドライバー親子をご紹介しよう。
文・写真/佐久間 健
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まず、写真に写る親子は、誰だかわかるかな? 1993年から2006年まで活躍したラリードライバーのハリ・ロバンペラとその息子である。
この写真は、2003年6月のキプロス・ラリーの時に撮影した写真で、このキプロスでは、プジョー206WRCで総合2位になっている。またこの2003年のシーズンは、年間で11位の成績で終えている。
そして、このロバンペラに抱かれる子供は、当時2歳8か月のカッレ・ロバンペラ。そう、今やトヨタのワークスでヤリスラリー1に乗る、エサペッカ・ラッピ、セバスチャン・オジエ、エルフィン・エバンスのチームメイトである。
父ハリは、1998年から99年はワークスセアトで活躍。その後2001年にワークスプジョーに入り、そのプジョーに入った最初のイベントのスウェディッシュ・ラリーでWRC初優勝した。カッレが生まれて4か月ちょっと経った頃だった。
そのプジョーには2004年まで在籍。2005年は三菱に加入して、ランサーWRカーでオーストラリアでは総合2位の成績を残している。
そしてハリの息子カッレは、8歳の時にKP61スターレットでドライブしている動画がYouTubeでアップされ話題となった。
2015年、14歳にしてラトビア・ラリーに参戦(※ラトビアではラリー参戦にあたって免許が不要だったとか)。この時はコドライバーが一般道を運転して、SS区間のみカッレがドライブした。マシンはシュコダだった。こうした活動は2019年まで続けたという。
そして2020年にトヨタに加入してWRCにフル参戦する。初戦のモンテカルロは5位、2戦目のスウェーデンは総合3位となった。
そして2021年のエストニア・ラリーでWRC初優勝する。これで、父ハリとカッレはWRC優勝を親子で遂げたこととなる。
2022年開幕戦のモンテカルロ、カッレはすでに総合3位でモンテを終えている、将来父ハリを超えるトップドライバーに成長することだろう。カッレの将来に期待しよう。
●解説●
2003年6月に開催されたキプロス・ラリーは、トルコの南の東地中海上に位置するキプロス島にあるキプロス共和国が舞台だ。
この年の日本車メーカーではスバルのみがワークス参戦しており、ペター・ソルベルグとトミ・マキネンがインプレッサWRCをドライブした。
フランス系のプジョーやシトロエンが強く、多くのドライバーを起用して参戦したシーズンだった。
ペターはスバルでさらに実力を伸ばしており、キプロスで優勝。最終的に2003年シーズンのチャンピオンを獲得した。マニュファクチャラー選手権はシトロエンが制した。
マキネンは2003年をもってドライバーを引退するが、2015年にTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表に就任した。
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