■もちろんレースでも存在感を発揮
日曜日の決勝で小林可夢偉選手と接触しそうな場面があって、『行き過ぎかも』ということで黒白(警告)旗で注意をいただきました。
もちろん故意に押そうとしたのではなく、オーバーテイクボタンを使っても追い抜きが厳しいのでサイドスリップを使おうとして寄っていったら、効果の部分は発揮されず、なのに想定以上に吸い寄せられた、という二つの部分が重なったかんじでした。
レース後、競技長から、どっちもどっちというのもあるけれど、もっとお手本になるような部分があったら良かったかな、と言われました。
僕自身、熱くなっていた部分はありました。最後尾に下がって、もう捨て身で上がっていくしかないって感じでしたし。可夢偉さんも絶対に譲らない意思がすごく感じられて、ギリギリまでやってくるというか。映像に映ってないところでもいろいろありました。
とにかく可夢偉さんはスゴいです。さすがF1で表彰台に載った人だなとバトルをして改めて思いました。後ろから追ってくる僕をふくめて自分が置かれている状況やレース全体を俯瞰して見ているというか、脳内ドローンがあるというか。
追い上げている僕のほうがペースはいいんですけど、追いついたところから可夢偉さんは自分のペースに上手に付き合わせるんです。しかも圧倒的にミスが少なく精度が高い。
チームメイトの野尻智紀さんもそうですが、すごいドライバーの共通点ってほんとそこですね。僕は盛大なミスみたいなのはないけれど、毎ラップ毎コーナーでどうなのかと細かなことを言うとせいぜい2、30点くらいでまだまだ全然足りない。
可夢偉さんとのバトルでものすごく多くのことを学んだので、今後はそれを活かして自分をどう伸ばしていけるかに取り組みたいです。突き抜けて速いのも大事だけど、可夢偉さんのようにいろんな引き出しというか、幅があるのが本当に強いドライバーだと思うので。
■実戦から様々な要素を吸収しながら次へ向かう
なんていうんですかね、今回のことは神様が与えてくれた訓練というか、神様が遣わしてくれた可夢偉さんというか(笑)。もし次にこういうシチュエーションになったら、可夢偉さんはまたあの手この手を尽くしてくると思います。でもそれに対抗できるものを準備していきたい。
技術面はもちろん、メンタルだったり全体を俯瞰して先を読んだりする要素だったり。今回そういうことを一気に教えられたので、次こそは一発でサラっと抜いて前に出られるようになっていたい。
可夢偉さんは『そんなことさせるか!』って絶対言うと思いますが(笑)。とにかくいま学ぶことができて本当に良かったと思ってます。
それにしてもレベルの高いチャンピオンシップにレベルの高いドライバーがいるなと、改めて思いました。久々に日本でこういうバトルを出来てる感覚だったというか。
楽しかったという表現が正しいのかどうかわかりませんが、引いてはそれが見ている人にレースの醍醐味とかレースの面白さが少しでも伝わると嬉しいです。
あと笑い話になるかどうかわかりませんが、スタートでストールした後のオフィシャルさんの対応が、日曜日のほうがめちゃくちゃ速かった気がします(笑)。
『あ、またコイツだ!』みたいな感じで、すぐにパーっときてスーっとマシンをピットロード出口に戻してくれたので、日曜日のほうがロスタイムが全然少なかったです(笑)。
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