メルセデスW13は失敗作か? 今後大幅モデファイで 速さを取り戻すことができるのか検証した

メルセデスだけ他チームとコンセプトが違う。それが不振の理由か?

W13は正面からの空気流なら高効率を発揮するが、接近戦のレースでは安定した空気流を後方に確保できない
W13は正面からの空気流なら高効率を発揮するが、接近戦のレースでは安定した空気流を後方に確保できない

 W13のゼロポッド方式は後方へのエアロ効率を上げる事を狙らっている。しかし、サイドポッド側面エリアの空気流は、正面からの空気流なら高効率を発揮するかもしれないが、接近戦での乱流内、あるいはコーナーリングでのヨー角の付いた空気流を受けた時には、W13は安定した空気流を後方に確保できているようには見えない。

 フェラーリ、ハース、アルファロメオ、アルピーヌ。さらに若干形は異なるがレッドブルとアルファタウリなど通常サイドポッドを比較的後方まで上面を引き伸ばすタイプは乱流やヨー角の付いた空気流内部でも左右の空気流に大きな差が生まれずに後方エアロを安定させている。

 メルセデスW13のコンセプトは言うなれば過去を継承したコンサバな車体に過激なエアロを施したマシンだ。マイアミそしてスペインにアップデートパーツが投入されると言う。それらで果たしてW13の真のポテンシャルを引き出すことができるようになるのだろうか……この2戦は特に注目したい。もしもコンセプトの問題ならば、まだまだ根は深く今シーズンの復活は難しいのではなかろうか。

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津川哲夫
 1949年生まれ、東京都出身。1976年に日本初開催となった富士スピードウェイでのF1を観戦。そして、F1メカニックを志し、単身渡英。
 1978年にはサーティスのメカニックとなり、以後数々のチームを渡り歩いた。ベネトン在籍時代の1990年をもってF1メカニックを引退。日本人F1メカニックのパイオニアとして道を切り開いた。
 F1メカニック引退後は、F1ジャーナリストに転身。各種メディアを通じてF1の魅力を発信している。ブログ「哲じいの車輪くらぶ」、 YouTubeチャンネル「津川哲夫のF1グランプリボーイズ」などがある。
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