■コペンの活動でダイハツ社内も変わりつつある
チーム代表の殿村さんにとって、全日本ジムカーナ選手権王者の(本誌テストドライバーとしてお馴染み)山野哲也氏は大学の自動車部の2年先輩にあたり、ドラテクも山野さんに教わったという。その後、三菱自動車に入社し、パリ~ダカやWRCの活動にも携わった。トミ・マキネンがランエボで4連覇した頃だ。ただ、三菱自動車がモータースポーツ活動を縮小し、時代が小さなクルマに向いていくことを肌で感じ、ダイハツに転職する。
そして、2010年から現行コペンの開発に携わり、2014年の発売以降、今に至るまでコペンに関わってきた。現行コペンの開発に当たって、コペンオーナーの気持ちを探ろうと始めたのが、学生時代にかじったジムカーナだ。
そんな殿村さんはラリーの意味をこう語る。
「コペンでラリーに参戦することはダイハツにとって意義のあることだと思います。例えばラリーチャレンジは全国で12戦が行われていて、地方の足としての軽自動車の魅力が発信できるからです」
さらに、「『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』というものをダイハツもやっていこう。ダイハツらしいやり方でやっていこう。というふうに会社も変わりつつあります。今回のラリージャパンは最高峰の厳しい条件のなかを走破します。完走が目標ですが、そこで得られた知見を社内のクルマづくりに持ち帰りたいと思います」と教えてくれた。
ラリーを始めモータースポーツの活動を通じてダイハツの社内に変化が生まれていることは興味深い。今後ダイハツからスポーツモデルが誕生することや、コペンに続く「ダイハツ車のGRスポーツ」が期待できるかもしれない。
ラリージャパンにエントリーする38台のうち、コペンは一番最後の38番目にスタートし、ラリージャパンの4日間いずれも一番最後に戻ってくる。モンスターマシンの「Rally1」から軽自動車のコペンまで、いろいろな個性のあるクルマが見られるのもラリージャパンの魅力。愛知と岐阜の皆さん、沿道で赤いコペンを見かけたら「がんばれ~!!」と声援を送ってほしい。日本の国内規格である軽自動車は、国内規格のまま世界の舞台で戦います。
コメント
コメントの使い方チーム代表の殿村さんは現行コペン開発当時、三菱自動車時代でのラリーの知見をコペン開発に注ぎ込んだと、ラリー参戦をコペンローブでスタートされた頃に何処かで読みました。ぜひ完走されてほしいです。
ラリージャパン2022、コペンは出走38台中30位で完走しましたね。
ナショナルクラスのJRCar3クラスで優勝です!(WRCのターマックラリーでは軽自動車史上初)お疲れ様でした!
ぜひ全SS完走して欲しいです。出走順も最後ですし、独特の小ささとクーペルックが、ゴールで目立つこと間違いなし。