現行日産ノートは今夏でデビューから8年が経過する。これまで本Webでは2020年秋に新型ノートが登場し、3列シート5人乗り/7人乗りのスライドドアを採用するコンパクトカーになる可能性が高いと報じてきた。
しかし、業績不振に陥っているところへ、さらに追い討ちをかけるようなコロナ禍による業績悪化で、新車販売計画が変更されるかもしれないという情報が入ってきた。
そんななか、新型ノートは本当に3列シート7人乗りのスライドドア車になるのか? 流通ジャーナリストの遠藤徹氏が報告する。
文/遠藤徹
写真/日産
CGイラスト/ベストカー編集部
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コロナ禍で新型ノートの発売が延期される可能性あり
日産自動車は、2020年4月28日に2020年3月期の連結業績の下方修正を発表した。
2020年2月に公表した業績見通しでは、最終利益が650億円の黒字になると予想していたが、コロナ禍の影響拡大により最終利益が1500億~1600億円悪化する可能性があるとしており、通期業績がリーマンショック以来、11期ぶりに最終赤字になる見通しと発表。
2020年3月期決算と中期計画見直しなどの内容については2020年5月28日に公表予定で、それまでわからないが、日産関係者から業績悪化を受け、新車の販売計画を見直し、新型ノートの発売が延期されるかもしれない、という話を聞いた。
これまでの情報では、新型ノートは2020年秋にもフルモデルチェンジすることが有力になっている。
入手した情報をまとめると、新型ノートは3列シート5人乗りもしくは7人乗りの”スライドドア車”になるという情報が有力だった。
新型ノートとは別に3列シートのスライドドア車をラインナップする線が濃厚!
再度、新型ノートがどんなクルマになるのか、前出の日産関係者に聞いてみると、
「従来の5ドアハッチバック車をなくすのはありえない。5ドアハッチバックボディにe-POWERを積んでベストセラーを続けてきたので、この路線は継承するがノート1車種では他社に対抗できないので、次の一手を打っていると聞いている」とコメント。
つまり、新型ノートの3列シート5人ないし7人乗り車はないということか? これについては、
「次の一手です。ノートから派生したモデルです」。
これ以上話は聞くことができなかったが、2019年末で生産中止になったキューブの後継モデルとして、新型ノートをベースにした5人乗りの背の高いハイトワゴンになるのか?
それともキューブのホイールベースを170mm延長し、狭いながらも3列目シートを確保した7人乗りのコンパクトハイトワゴン、キューブキュービックのような3列7人乗りのコンパクトミニバンになるのか?
いずれにしても新型ノートベースの派生車は、トヨタシエンタやホンダフリードに対抗させるといった戦略である。
ホンダはフィットのファミリーモデルとしてステーションワゴンのシャトル、SUVはヴェゼル、ミニバンはフリード、セダンはグレイスの4車種を派生させている。
これに対してトヨタはヤリスを起点として、今秋SUVの「ヤリスクロス」を設定する。従来モデルのヴィッツはコンパクトミニバンのシエンタ、5ドアハッチバックのハイブリッド専用モデルとしてアクアをそれぞれ派生させている。
日産はこれまでサニーから兄弟車のパルサーを派生させ、3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、4ドアセダンなどを派生させた経緯がある。
その後パルサー系を廃止し、サニーはハッチバックのティーダ、セダンのティーダラティオに引き継いだが、こちらもその後廃止し(海外ではラティオセダン、ヴァーサセダンが販売中)、5ドアハッチバックのみのノートに引き継ぎ、現在のラインアップに至っている。
現在、日産のBセグメント用のプラットフォームであるVプラットホームはマーチ、マイクラ(日本未発売)、ノート、キックスが採用しているが、新型ノートおよび派生車もこのVプラットフォームを採用する見込み。
話をまとめると、現在わかっている情報では、新型ノートはこれまでと同様、5ドアのハッチバックとなり、ノートから派生し、独立したモデルとして、スライドドアを採用した3列5人ないし、7人乗りのコンパクトミニバンがデビューする線が有力だ。
しかし、コロナ禍による業績悪化で世界生産を2割削減することや、5月28日に発表される中期経営計画の見直し如何によっては、発売延期や派生車を含めた新型ノートの新車計画が変更される可能性があるため、現時点では流動的と言わざるをえない。
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