2020年7月28日、2021年3月期の連結最終損益が6700億円の赤字になりそうだとの見込みを発表した日産自動車。同3月期の6712億円に続く、大幅な赤字額だ。
2期連続の巨額赤字にはお腹のあたりが冷え込む気持ちもするが、5月の会見での映像「NISSAN NEXT From AtoZ」で示された、日産の「これから」に期待する向きは、正直大きいのではないだろうか。
企画担当的には、昨年8月の新型スカイライン発表時に感じた「新生日産」胎動への期待を、変わらず信じたい気持ちが強い。
新型スカイラインは「新生日産」を告げる狼煙(のろし)なのか?
6月の中期的経営方針で示された新型車の概要と、これまでベストカーで独自に得ていた新型車開発スケジュールなどとを照らし合わせながら、日産が2023年度までに日本市場に投入してくる新型車の情報を整理した。今回ここでは、そのなかから7台を中心にお伝えしていきたい。
■2023年度までに日本市場投入がアナウンスされた12モデルの内訳
・e-POWER=6モデル(キックス含む)
・EV=3モデル
・内燃機関車=3モデル(ルークス含む)
■今後3年間で国内登場が目される日産の10モデル
・アリア
・エクストレイル
・フーガ
・フェアレディZ
・ノート
・軽EV(IMk)
・新型コンパクトミニバン
・セレナ
・IMQ
・エルグランド
【画像ギャラリー】アリアからエクストレイル IMQまで! 登場目される7モデルを中心に日産期待の新型車たちを詳報!!!
※本稿は2020年7月のものに適宜修正を加えています
文:ベストカー編集部/写真:NISSAN、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年8月10日号
■日本市場には10モデル投入
株主総会の場で内田社長はグローバルで電動化を推進し、2023年度までに8車種以上の電動車を投入すると説明。
特にe-POWERはグローバルマーケットへの展開を計画しており、BセグのみならずCセグにも拡大する。
これは、例えば昨年のジュネーブショーで公開された「IMQ」をベースにしたミッドサイズSUVを示しているのだろう。
日本市場に向けては2023年度までに12モデルを投入するとした。
・e-POWER=6モデル
・EV=3モデル
・内燃機関車=3モデル
このように示されたが、説明される図表から、e-POWERの1モデルは6月24日に発表されたキックスで、内燃機関車の1モデルは2月25日に発表されたルークスであることが読み取れる。
つまり、今後10モデルが3年程度のうちに日本市場に投入されることになる。
そしてこのうちEVの1モデルは、7月15日にワールドプレミアされたアリアである。
市販時期は明言されなかったが、日本市場から市販開始予定であることを内田社長は力強くアピールした。
アリアについてスクープ班がすでにつかんでいる情報では、2021年中頃の販売開始となりそう。実質購入価格は約500万円程度からとのこと。
また、ショーモデルでは前後2モーターのEV4WDとされていたが、前輪駆動の2WDと、後輪にもモーターを備えた4WDのバッテリー違いで、計4種のラインナップで登場するとのことだ。
さらに注目なのがフーガだ。現行型の販売台数や、長期間手を入れていない放置ぶりを見ると、日産は国内でのDセグ販売をあきらめた……と思わざるを得ない。
確かにこれまではそうだったのかもしれない。しかし、国内市場重視へと舵を切った今、当然フラッグシップサルーンの存在は必須である。日産としては、クラウンを圧倒するフーガを改めて日本に向けて開発する。
フーガは北米ではインフィニティQ70だ。
インフィニティは今後全車電動化を明言しており、当然次期Q70=フーガは電動車になる。当初はe-POWER説が濃厚だったが、アリアで現実のものになったアッパーミドルEVは、今後のEV戦略の核となる。
2023年デビューが計画される新型フーガは、日産のEV戦略を象徴する、まさにフラッグシップとして投入される線が濃厚だ。
日本市場を重視すれば、当然無視できない大型ミニバン、すなわちエルグランドもフルモデルチェンジに向けて動き始めている。重量級多人数乗車ということで、ガソリンエンジン車を中軸に開発されているとの情報をスクープ班は得ている。
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