水素でRE復活説急浮上!? マツダ 新型ロータリースポーツと近未来戦略

【閑話休題】マツダの水素ロータリー開発の歴史は30年以上に及ぶ

 1991年に第1号車のHR-X、1993年にはHR-X2とロードスターの実験車を完成させるなど、マツダの水素ロータリー開発の歴史は長い。

 2004年にはRX-8ハイドロジェンREが大臣認定を取得して公道走行を開始、2006年には国内リース販売も実現して計8台を納車した。

 2008年にノルウェーでRX-8のモニター車の公道走行を開始し、2009年にはプレマシーでも水素ロータリーエンジン車のリース販売を行っている。

2003年にRX-8、2009年にプレマシーの水素ロータリー車を開発。どちらもリース販売を行い、実用化に成功している
2003年にRX-8、2009年にプレマシーの水素ロータリー車を開発。どちらもリース販売を行い、実用化に成功している

■期待のストレート6+FRは来年春登場 マツダのさらなる近未来戦略を読み解く

 6月17日に、マツダが2030年に向けての商品戦略の方針説明を行ったのは先にお伝えしたとおり。

 そこでは2030年時点で電動化比率100%とし、そのうち電気自動車(BEV)を25%と想定していると発表。

 つまり75%は内燃機関+電動化技術(HEV、PHEV、レンジエクステンダーEV)という現実的な計画を立てていることを明らかにした。

 さらに具体的な商品計画にも踏み込み、2025年までにBEV3車種、PHEV5車種、HEV5車種をグローバルに投入すると公表。

 ここでのHEVにはマイルドHEVは含まず、一方でトヨタからOEM供給を受けるモデルも含まれるとした。

2025年までにBEV3車、PHEV5車、HEV5車の投入を公表。2030年までに電動化率100%の目標も掲げている
2025年までにBEV3車、PHEV5車、HEV5車の投入を公表。2030年までに電動化率100%の目標も掲げている
2025年にはSKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャーを導入。車種に応じて大きさを変えられる
2025年にはSKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャーを導入。車種に応じて大きさを変えられる

 また、2025年以降にはマツダ独自のBEV専用プラットフォーム「SKYACTIV EV用スケーラブルアーキテクチャー」を導入。

 これは長さ、幅、バッテリー容量をフレキシブルに変化させられるベースユニットで、ここからも複数の新型BEVが生まれることになる。

 直近のクルマの話では、ラージクラスの縦置き直6&直4エンジン+FR(および4WD)のプラットフォームが公開された。

 数年前からその計画は公表されていたが、ガソリンエンジン+48VマイルドHEVとPHEV、ディーゼルエンジン+48VマイルドHEVの画像が公開されたことで、その対象となるマツダ6、CX-5、CX-8、CX-9の次期モデルはこれらのパワーユニットが搭載されることが明らかになった。

 第一弾は新型マツダ6が有力で、来年春に登場する。

来年春登場予定の新型マツダ6がマツダ直6FRモデルの第1弾となりそうだ。3Lのガソリンとディーゼルエンジンを搭載する
来年春登場予定の新型マツダ6がマツダ直6FRモデルの第1弾となりそうだ。3Lのガソリンとディーゼルエンジンを搭載する

 直6エンジンはSKYACTIV-G(ガソリン)/D(ディーゼル)/X(ガソリンSPCCI)で、直4エンジン(縦置き)はSKYACTIV-Gのみ。

 排気量は直6が3L、直4が2Lとなる。

 スモールクラスもいずれ48VマイルドHEVが採用されていくことになるが、次期マツダ2への搭載が有力視されるSKYACTIV-Xは3気筒の1.5Lとなる。

 6気筒の3Lを文字どおり半分にするもので、こうした効率の高さも今後のマツダの有効な手段となっていく。

 前項で触れた発電専用ロータリーエンジンを使ったシリーズHEV、PHEVはMX-30に搭載して来年春以降順次登場する。

 同じくロータリーエンジンのレンジエクステンダーEV(補助的に発電用エンジンを搭載するBEV)は少し遅れているようだが、それも開発は進んでいる。

 スムーズに回り、振動が少ないロータリーは発電用エンジンに最適で、快適な走りを楽しめる。これも今後のマツダの大きな武器になりそうだ。

新型CX-5は2023年春頃デビューか。こちらもマツダ6と同様のパワーユニットを持ち、FRと4WDを設定。マツダ6、CX-5などとともにデザインも楽しみだ(画像はベストカー編集部による予想CG)
新型CX-5は2023年春頃デビューか。こちらもマツダ6と同様のパワーユニットを持ち、FRと4WDを設定。マツダ6、CX-5などとともにデザインも楽しみだ(画像はベストカー編集部による予想CG)

 気になるのはロードスターの今後だが、こちらも電動化戦略の流れに入っており、次期型もしくはその次のモデルで電動化されることは確実。

 内燃機関を用いたHEV、PHEVのほかBEVになる可能性もあるが、モデルは継続されるとのことでひと安心。

縦置き4気筒エンジンのマイルドHEVが有力視される未来のロードスター。どこまで軽くできるかが重要となる
縦置き4気筒エンジンのマイルドHEVが有力視される未来のロードスター。どこまで軽くできるかが重要となる

【画像ギャラリー】2030年に向けたマツダの戦略をギャラリーでチェック!

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