■テーマ2【日本の自動車メーカーに言いたいこと】
後藤和樹(後藤):僕の父親世代は、スーパーカーブーム真っ只中で若い頃を過ごし、格好いいな、乗ってみたいなという強烈な「憧れ」のなかで、クルマを所有する「喜び」があったと聞きます。その頃のクルマって、国産車も輸入車も個性が強烈でしたよね。どんなクルマが好きかで自分の個性が表現できた。
そんな頃と比べて今は……忖度なしに言わせてもらえば、デザインの最適化、均質化が進みすぎて、みんな似たフォルム、似たフロントマスクになっていると思います。
塩川:なるほど。ひとつのベース車があり、そのバリエーション展開でいくつか派生車が発売されるのは、開発コストを考えても、よくあるケースです。似たクルマが多いのは、モデル数が拡大するメリットにはなっていますよね……。
【画像ギャラリー】[東京モビリティ会議2024 withベストカー]臨場感あふれる画像集!!(20枚)画像ギャラリー■クルマは「誰かの夢」「誰かの憧れ」であり続けてほしい!!
後藤:もうひとつありまして……。クルマが家電になっちゃいけないなと思います。BEVや自動運転などで制御が進んでいくなか、すべてのクルマが「そういうモノでいいか」となった時、僕はそこは違うんじゃないかと思っています。やっぱり(クルマは)「誰かの夢」や「誰かの憧れ」であってほしいから。クルマってそういう存在であり続けてほしいなと思っています。
黒木美珠(黒木):平準化しないで、軸や芯を「これ」だと決めたら、そのクルマのオリジナリティとして突っ走ってほしいですね。自動車メーカーさんには、これをお願いしたいです。その結果、共感してくださる方がどんどん集まるようになると思いますので……。
板倉:自動車メーカーにはもちろんクルマが好きな人が集まっていると思うので、将来も「走る楽しさを諦める」という方向には進まないと思います。燃料が電気になろうと水素になろうと、内燃機関車が残ろうと、自動車メーカーにはクルマの走る楽しさ、持つ喜びにこだわる人が居続けてくれると信じています!
塩川:なるほどですね。電動化というと「走行性能やファン・トゥ・ドライブは諦める」という話になりがち。でも、そうではなく、自動車メーカーの強みには、これまで長く、走る楽しさを追求してきた歴史があります。それを生かす電動化であってほしいですね。
【画像ギャラリー】[東京モビリティ会議2024 withベストカー]臨場感あふれる画像集!!(20枚)画像ギャラリー■テーマ3【自動車の電動化はこうあるべき】
西川:「自動車の電動化」というよりは、「自動車のカーボンニュートラルはこうあるべき」というお話になると思うんですけれども、それこそ今、「マルチパスウェイ」っていう話があると思うんです。それを受けて、ユーザーのニーズに合わせて必要なパワーソース、エネルギーを選べるようになるべきかなと思います。
電動化という意味では、たとえば「街中を走る」や「長距離を走らないクルマ」って電動化のニーズにすごく合っていて、BEVは充電インフラの整備が必須だけど、でも近所しか走らない人、長距離を走らない人にとってはうってつけですよね。そういう使い方なら、効率的に電動化のよさがいきるんじゃなかと思います。
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