4代目Z32型: 1989年7月~2000年9月
流通台数:62台、中古車流通価格帯:46万~398万円、中古車平均価格:145.7万円
スポーツカーとして進化を遂げたZ32はスポーツカーとしてのZを際立たせる役割を担って登場した。
目指すライバルとしてポルシェ944を挙げるなど、イケイケだったこの時代の日産の意欲作である。
前後マルチリンクのサスペンションを新開発したシャシーに、自然吸気3L、V6の300ZX、ツインターボの300ZXツインターボ(日本初の280psエンジン)を設定した。
2シーター/2by2、ノーマルルーフとTバールーフの“定番設定”は3代目と共通だ。5速MTと4速ATのトランスミッションに変更はない。
中古車市場に出回っているのは、そのほとんどが2by2のTバールーフ仕様。
1992年8月に追加された300ZXをベースとしたコンバーチブル(2シーターのみ)はあっても数は限られている(Tバールーフと併売)。
Z32の中古車で最高額となったのは、398万円の東京で販売されていた1991年式300ZXツインターボ 2シーターTバールーフ(記録簿付きの走行距離3.4万km!)。
一方で1991式の300ZX 2by2 Tバールーフ(走行距離3.4万km)で150万円、ボディカラーがレッドという魅力的な車両を発見。
とはいえ、所在が熊本となっていて価格に地域差が生まれてしまうのは致し方ないが、まだまだ粘って「掘り出し物」を探すことが可能かもしれない。
5代目Z33型:2002年9月~2008年11月
流通台数:291台、中古車流通価格帯:18.9万~429万円、平均中古車価格:74万円
Z32の生産中止から約2年を経て復活したZ33は、強く初代を意識したエクステリアとインテリア(3連メーターなどを模倣)のデザインとともに、プラットフォームもFR-Lを新たに採用。日産の復活を牽引するイメージリーダーとして登場した。
パワーユニットは初期型では3.5L、V6のVQ35DE型エンジンを搭載。その後、VQ35HR型ではついに300psオーバーを実現している。
トランスミッションは6速MTと5段ATを搭載。足回りも前:ダブルウィッシュボーン、後:マルチリンクと一新された。
20年近く前に生まれたZ33は、流通量に関しては当然豊富で、中古車の最高価格車は2007年式の380RSニスモ(3.8L仕様。走行距離:3.3万km)の429万円。
数ある流通車両でもスペシャルモデルであることを考えれば当然か。ちなみに、ロードスターが設定されたのもトピックのひとつといえる。
6代目Z34型:2008年12月~
流通台数:228台、中古車流通価格帯:90万~608万円、平均中古車価格:209.3万円
先代のZ33から外装を中心として手を加え、ホイールベースを100mm短縮するなど、走りの改善への意欲が見えた現行モデル。
パワートレーンも排気量を3.7Lに拡大したVQ37VHR型に6速MTと7速マニュアルモード付きATを組み合わせている。
中古車の最高額となったのは先のZ33と同様にニスモの「370RS」。
2020年式の走行距離6000kmというから、程度に不安はないはず。そのほか「バージョンニスモ」や「40thアニバーサリー」、「50thアニバーサリー」もすでに新古車レベルで出回っているから、スペシャルモデルを狙うのも選択肢となるはずだ。
未だにモデルチェンジをしていないことに改めて驚かされるが、ようやく先の日産の発表によってニューモデルが計画されていることが確認できたので、ほっと胸をなで下ろしたファンも多いだろう。
こうして中古車市場を見ていくと、意外にZ31とZ32が健闘しているように感じられる。
あえて初代にモチーフを求めたレトロに近い雰囲気を与えられたZ33とZ34がスペシャル感(と品質感)が薄いようにファンに受け取られたのかもしれない。
ベストカーの新型スクープイラストを見ると期待できそうだが、スポーツカーとしての伝統と斬新さを併せ持つように「7代目」が仕上げられることを願いたい。
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