S2000マイスターのいる専門店に取材
お話を伺ったのは、東京都武蔵村山市のホンダスポーツカー専門店「HMR HONDA」。
社長は猛烈なS2000マイスターで、ホンダ車に精通したスタッフが車両購入からアフターメンテナンス&チューニングまでサポートしてくれる硬派な専門店だ。
――ということで「HMR HONDA」のチーフメカニック、邑松 崇さんにお尋ねします。まず前期の2Lと後期の2.2Lでは、どちらの人気が高いのですが?
邑松さん 人気という面では、「どちら」ということはできない状況ですね。このあたりは本当に人ぞれぞれで、前期型の軽やかな吹け上がりを好むお客様もいらっしゃいますし、後期型ならではの「全体的に新しい」という点を好む方もいらっしゃいます。
あとは前期型のなかでも初期年式の「栃木の高根沢工場製がイイ!」と、そこにこだわる方もいらっしゃいますね。
――なるほど。メルセデスベンツ500Eの「ポルシェファクトリー製がイイ!」とこだわる人に似てますね。
邑松さん そうかもしれませんね。ただし「相場」という観点であれば、後期2.2L世代のほうが高い傾向はあります。まぁこれもコンディション次第ではありますので、絶対ではないのですが。
約20年経っても9000rpmまで鋭く吹け上がる?
――S2000というと「9000回転まで鋭く吹け上がるVTECエンジン!」が魅力なわけですが、あの回転感覚は、約20年落ちの中古車になっても健在なのでしょうか? 例えば10万kmを超えるとイマイチ回らなくなったりするのでしょうか?
邑松さん 吹けが悪くなってしまったF20Cエンジンというのは確かにありますが、それは「走行距離」とは関係ないですね。
――そうなんですか?
邑松さん はい。例えば弊社のデモカーは走行10万kmを超えていて、エンジンオーバーホールはまだ一度もやってないのですが、サーキットでレブリミットまでガンガンに回ってますよ。
逆に先日、新車から乗ってらっしゃる「ワンオーナーの7万km車」が整備のため弊社に入庫したのですが、それはエンジンオイルの消費がひどく、オーバーホールをしない限りは直せないという状況でした。
――たかが7万kmでそんな状態になってしまった個体と、10万km以上走ってもオーバーホールの必要がないエンジンの違いって、いったい何なんですかね?
邑松さん 10万kmどころか、ウチのスタッフが個人的に所有しているS2000は走行25万kmを超えてますが、まだ一度もエンジンオーバーホールはしていませんよ。それでも普通に気持ちよく9000回転まで回ってます。
――25万kmもオーバーホールなしで?
邑松さん はい。さすがに最近はオイルの消費量が増えてしまったようですが、しかしそれぐらい、ちゃんとケアしてあげればS2000のF20Cエンジンは長く使えるものなんですよ。
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