ホンダの至宝 S2000がいまや600万円! 専門店に聞くリアルな生証言と中古車相場

足回りやブレーキのリフレッシュも重要

足回りのゴムブッシュがたいていひび割れているそうだ
足回りのゴムブッシュがたいていひび割れているそうだ

――考え方と価値観次第ですが、それだけのお金と手間を投じる価値は確実にあるクルマですよね。エンジン以外のメンテナンスは?

邑松さん S2000というクルマの魅力の“軸”は、私は足回りだと思っています。で、初期モデルですと、未交換の場合はたいていゴムブッシュがひび割れてしまっていますし、サスペンションも、たとえ「オーリンズ」「ビルシュタイン」だったとしても、当時モノはもはや初期の性能を有していません。

 ですので、このあたりをしっかりリフレッシュさせて「本来のホンダ S2000の走り」を味わっていただきたいとは思いますね。

――確かにそうなんでしょうね……。

ブレーキキャリパーが固着しているクルマも多いのでしっかりメンテナンスを行いたい
ブレーキキャリパーが固着しているクルマも多いのでしっかりメンテナンスを行いたい

邑松さん あと最近はブレーキキャリパーが固着してしまっているS2000も多いですね。

 そうなると、ただでさえ、ややピーキーなS2000の挙動がさらにピーキーになってしまい危険ですので、ブレーキキャリパーのオーバーホールはぜひ行いたいところです。

 そのほかではエンジンやトランスミッションなどのマウント類をリフレッシュさせ、もしもさらに余裕があれば、駆動系にも手を入れてやりたい。リアのハブベアリングですとか。

動かしているほうが良い状態が長く続く

――やるべきことはけっこう多いですね。最近、高いモノは600万円以上の値が付いていたりしますが、だいたい、いくらぐらい見ておけば、「おおむねオッケーなS2000」を買うことができるのでしょうか?

邑松さん ううーん、一概には言えない話ですが、まぁあえて言うとすれば「車両250万円ぐらいから」というのがひとつの目安でしょうか。

――部品はまだホンダから出るんですか?

邑松さん 出るものもありますが、廃番になってしまった部品もありますね。ただ、ホンダさんからはS2000のパーツを継続販売していくというアナウンスがありましたし、社外パーツも豊富です。

 そのため、「部品供給問題」についてはさほど心配なさらずとも大丈夫だと思います。ソフトトップも、社外品がたくさんありますしね。

――結論としては、「購入時は距離だけで判断するべからず。経験豊富なお店で買って、そして購入後は3000kmに一度のペースでエンジンオイルを交換しながら『ちょい乗りではなくガンガン走れ!』ということでOKでしょうか?

邑松さん まあ言い方はさておき(笑)、おおむねそのとおりかと思います。ゴムブッシュもブレーキも「動かしている」ほうが、良い状態が長く続くんですよね。

 ほとんど動かしてない個体だと、3万kmぐらいで早くもブレーキキャリパーが固着してしまっている場合もあります。

 あとS2000は、もはやある程度の「覚悟」を持って乗っていただきたいクルマになっています。「完全ノートラブル」で乗り続けることはできないでしょうし、定期的に各部をリフレッシュさせてあげないと、気持ちよくは走れません。

 しかし今後、こんなにも乗って楽しいクルマ……、つまりVTECエンジンでFRでというクルマがホンダから今後出る可能性は低いはずですので、S2000は覚悟を持って付き合うだけの価値はある車だと確信しています。

 ご興味がある方は、ぜひ前向きに検討してみていただきたいですね。精一杯のサポートは、させていただきます。

――押忍。確かに「たぶんもう新車としては二度と出ない類のクルマ」ですから、情熱を傾けるだけの価値はありますよね。本日はお忙しいところありがとうございました!

邑松さん いえ、どういたしまして!

ホンダS2000後期型の中古車情報はこちら!

【画像ギャラリー】二度とこんなクルマは出ない! 高騰中のホンダS2000 発売当初の写真をチェック!

ホンダアクセスは2020年6月26日、S2000用純正アクセサリーパーツを発売。新開発されたフロントエアロバンパーに加え、スポーツサスペンションなども設定されている
ホンダアクセスは2020年6月26日、S2000用純正アクセサリーパーツを発売。新開発されたフロントエアロバンパーに加え、スポーツサスペンションなども設定されている


■ホンダS2000 主要諸元
●全長×全幅×全高:4135×1750×1285mm
●ホイールベース:2400mm
●車重:1240kg
●エンジン:直列4気筒DOHC、1997cc(F20C型)
●最高出力:250ps/8300rpm
●最大トルク:22.2kgm/7500rpm
●燃費:12.0km/L(10・15モード)
●価格:338万円(1999年式ベースグレード)

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!