■短命に終わったP810系ブルーバードSSS:1976年7月~1979年11月
5代目は、間にバイオレットが入ったためP810系と名付けられた。時代が求める安全性と環境性能、快適性を追求した小型ファミリーカーとして開発され、セダンとハードトップのデザインも大きく変えている。1.8LのL18型とL18E型は日産の排ガス浄化システム、NAPSを採用して厳しい排ガス規制を乗り切った。
この5代目から、ファミリー系はリアサスペンションを4リンク式に変更している。1977年秋には1800SSSの5速MT車を急速燃焼方式のNAPS-Zを採用したZ18S型直列4気筒SOHCエンジンに換装し、昭和53年排ガス規制をクリアした。
この5代目ブルーバードはオイルショックや排ガス規制対応のため、登場が遅くなったのに加え、販売不振で次期モデルの910型の登場が早まったため、わずか3年4ヵ月と短命だった。
■510の再来といわれた6代目910ブルーバードSSS:1979年11月~1983年10月
大ヒットした510系の再来といわれたのが、1979年11月に登場した6代目のP910系ブルーバードだ。メカニズムは進化版だが、ウエッジシェイプの伸びやかなシルエットと軽快なハンドリングが好評を博し、12月から27カ月連続して小型車クラスの販売トップに君臨している。
ゼロスクラブ、ハイキャスター配置のサスペンションやラック&ピニオン式のステアリングギアも話題になった。1980年春にはパワフルなZ18ET型ターボエンジンを積む1800ターボSSSを投入。1981年にはブルーバード初の4ドアハードトップを加えるなど、スポーティ方向に振り、コロナとの差を広げている。
■7代目U11系ブルーバードSSS:1983年10月~1987年9月
先代の910系まで正式車名がダットサン・ブルーバードだったが、ニッサン・ブルーバードに変わったのが7代目のU11系だ。SSSもスーパースポーツサルーンの略になっている。
SSSの性格は、先代と比べるとちょっとマイルドだ。メカニズムの最大の変更点は駆動方式が伝統のFRを捨て、前輪駆動のFFに変わったことだった。これを機にサスペンションも4輪ストラットになる。また、パワーユニットもZ系から新世代のCA系になり、ターボはSOHCとDOHCのデュアル路線とした。
■U12系8代目はシリーズ初の4WDが登場:1987年9月~1991年9月
FF方式に転換し、キャビンを広げた7代目はデザインに新しさがなかったこともあり、販売は伸び悩んだ。そこで1987年9月に登場した8代目のU12系ブルーバードはデザインを大幅に変えるとともに先進技術も積極的に盛り込んでいる。
躍動感あふれる伸びやかなシルエットで、メカニズムのハイライトはアテーサと名付けられた4輪の駆動力制御システムだ。最新の4WDを組み込んだ1800ツインカムターボSSSアテーサリミテッドなどに搭載されたのは1.8LのCA18DET型直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボである。
注目は、オーテックジャパンがラリー用にスペシャルチューンを施し、NISMOが発売したSSS-Rだ。パワーアップしたCA18DET-Rを積んでいたが、後期モデルは2000SSSと同じ2LのSR20DE型DOHCにインタークーラー付きターボを装着したSR20DET型エンジンを搭載する。モータースポーツの世界でも久しぶりに活躍し、SSSの名声を取り戻した。
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