シルフィ消滅でブルーバード栄光の歴史に幕! 今こそブルーバードSSSの中古車が欲しい!!

■9代目U13型はセダンSSSが設定されたが尻下がりのデザインで不評:1991年9月~1996年1月

海外市場では「アルティマ」として販売したU13。先代U12型に対してホイールベースで70mm、全高で30mm拡大され、レイアウト合理化と合わせて居住性が向上した
海外市場では「アルティマ」として販売したU13。先代U12型に対してホイールベースで70mm、全高で30mm拡大され、レイアウト合理化と合わせて居住性が向上した

 これに続く9代目U13型は、大胆なスタイルをまとって登場する。シリーズ構成の主役は、4ドアピラードハードトップの上質なARX(アークス)とスポーティセダンのSSSになった。

 2000SSSアテーサリミテッドはフロントにもビスカスカップリングを用いたトリプルビスカスだ。フラッグシップエンジンはSR20DET型DOHCインタークーラー付きターボである。だが、個性の強いデザインが災いし、ARX、SSSともに販売は不調に終わった。

■U14系10代目でSSSは消えた:1996年1月~2001年9月

U14のデザインはU12以前の流れを汲んだデザインとなった。しかし、この世代で『SSS』の歴史はその歩みを止めることとなる
U14のデザインはU12以前の流れを汲んだデザインとなった。しかし、この世代で『SSS』の歴史はその歩みを止めることとなる

 10代目のU14系ブルーバードはパキッとしたデザインの4ドアセダンだけに絞り、エンジンもターボを廃して自然吸気だけとしている。環境性能を重視し、時代に先駆けてリーンバーンエンジンや直噴エンジンも設定した。

 シャシーはプリメーラと共用になり、駆動方式はFFとツインビスカスのアテーサ4WDを用意している。1999年には生誕40周年の節目を迎えた。しかし、日産の販売不振もあり、販売は伸び悩んでいる。

 案の定、ゴーン体制になった時に11代目の開発は凍結され、急遽、サニーをベースにしたブルーバードシルフィがリリーフとして送り出された。だが、ファミリーカーに特化し、SSSは長い歴史にピリオドを打っている。

 ブルーバードシルフィも2012年11月に販売を終了し、名門ブルーバードの車名は日本の自動車史から消えている。

■歴代ブルーバードSSSは今いくらで買えるのか?

 では、今歴代ブルーバードSSSは今買えるのか? 411系で誕生した最初の1600SSSは、中古車市場に出回ることはほとんどない。これに続く510型1600SSSは伝説の名車だけに中古車が存在する。

 だが、最近のクラシックカーブームで中古車価格は高騰し、程度の悪いクルマでも書類があれば3桁万円だ。旧車専門店なら200万円からのスタートで、極上モノや少数派のSSSクーペ、1800SSSなら300万円を超えている。

 P610系やP810系はSSSだけでなく、デラックスなどのファミリーグレードも現存するクルマが少ない。510系と違って人気がないから、中古車になったほとんどのクルマは潰されてしまった。

 どうしても欲しければオーナーを見つけ出し、個人間売買で手に入れる方法になるだろう。P910系のSSSは、新車のときに人気が高かったから、最近はコレクターズアイテムとして持てはやされるようになった。510系のSSSのような高値を付けていないが、ボディパーツなどは少なくなっている。

 FFと4WDのアテーサがある8代目のU12系SSSもタマ数が少なくなってきた。程度のいいターボ搭載車も減ってきている。ラリー用に開発し、送り出された1800SSS-Rはマニア好みだが、これも希少車だ。運がよければ絶版車の専門店などで見ることができるだろう。

 ただし、生産台数が少ないし、現存する車両も数えるほどだから時間をかけて探す必要がある。当然、引く手あまただから販売価格は高値安定だ。当時の新車価格より高値を付けている。

 9代目はエクステリアデザインのクセが強いし、SSSはセダンボディだから人気はない。中古車市場に出回ることは皆無に近いから、欲しい人はオーナーを探して個人的に頼み込むことになる。

 ターボ搭載車のない10代目のU14系ブルーバードも同様だ。コレクションの対象と人々が認めているのは、一部のブルーバードSSSだけだが、最近のクラシックカーブームで価格は高値に推移している。安い買い物ではないので、時間をかけて程度のいい中古車を探してほしい。

【画像ギャラリー】歴代ブルーバード名鑑 日産はブルーバードSSSという遺産をなぜ捨てたのか?

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