■問題は「買っても大丈夫なのか?」まずは初代ボクスターを検証
買ったはいいが、結局は故障続きで多額の修理代が必要になったり、壊れはしないまでもどこか常に微妙に不調で、なおかつ車内がボロくてクサくてたまらない……というのであれば、わざわざ買う意味などない。
実際のところはどうなのか?
「格安中古ポルシェの実相」を探るため、筆者は世を忍ぶ仮の姿で関東各地の格安中古ポルシェを片っ端から(といっても時間が許す範囲で)見て回った。
まずは格安ポルシェの王道路線である初代ボクスター(986型)から。
ご承知のとおり、初代ポルシェ ボクスターとは1996年に登場した、水冷方式の水平対向6気筒エンジンを搭載するオープンモデル。
ポルシェ911が「RRレイアウトの2+2クーペ」であるのに対し、ボクスターは「ミドシップレイアウトの2シーター」となる。
ベースグレードのエンジン排気量は当初2.5Lで、1999年10月から2.7Lに拡大。そしてこのタイミングで3.2Lの「ボクスターS」も追加されている。
で、そんな初代ボクスターの底値ゾーンは今、おおむね80万~130万円付近。そのあたりのプライスの中古車を見に行くと、その多くはおおむね下記の3パターンに大別できることがわかった(※もちろん日本全国の格安中古車すべてを見たわけではないので、「絶対にこう!」と断言はできませんが)。
●パターン1:内外装がとにかくボロい(ネットの写真ではさほどボロく見えないのだが)。
●パターン2:内外装がとにかくボロくて、なおかつエンジンから妙なうなり音がする。
●パターン3:内外装はまあまあキレイだが、エンジンから妙なうなり音がする。
●パターン4:ボロくない感じだが、車内がなぜかとってもクサい。
……こういった中古車を買っても結局はドツボにハマるか、ドツボにハマらないまでも「あんまり満足できない(安物買いの銭失い)」になることは目に見えているため、よほどの例外がない限りはやめておいたほうがいいだろう。
上記のパターン1~4の傾向は、車両価格160万円前後まで上げていっても(軽度にはなるが)おおむね継続した。
そして「これなら機械の状態と整備履歴も大丈夫そうだし、内外装とニオイの問題もほとんどないかな?」と思える初代ボクスターの価格は「おおむね220万円以上」であった。
もちろん「220万円以上ならすべてOK」というわけではなく、また逆に「220万円未満はすべてダメ」ということも決してないが、ひとつの目安にはしていただきたい。
手を出しても良いと思える格安初代ボクスターのスペックイメージ(あくまでイメージ)は、おおむね下記のような感じだ。
【初代ボクスター】
・2004年式ポルシェ ボクスター(ベースグレード)
・220万円/走行5.7万km/左H/5MT/D車/修復歴なし
■買ってもいい2代目ボクスター、初代ケイマンは?
そして2004年11月に販売終了となった初代ボクスターに続いて2004年12月には2代目ボクスター(987型)が発売され、やや遅れて2005年8月にはその2シータークーペ版である初代ケイマン(987c型)が登場した。
それぞれの底値ゾーンは2代目ボクスターが車両150万円~で、初代ケイマンが210万円~といったところだ。
しかしこれらも、底値ゾーンの個体は初代ボクスターのそれと同様に「ボロいかクサいか、またはレザーが擦り切れているか」的な場合が多い。検討対象になり得る個体のスペックイメージは、おおむね下記のとおりとなるだろう。
【2代目ボクスター】
・2005年式ポルシェ ボクスター(ベースグレード)
・260万円/走行4.5万km/左H/5MT/D車/修復歴なし
【初代ケイマン】
・2008年式ポルシェ ケイマンS
・270万円/走行4.5万km/左H/ティプトロニックS/D車/修復歴なし
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