一生に一度はポルシェに乗りたい! 200万円ぽっきりのポルシェは大丈夫なのか?

■200万円以下の911は水冷996型前期モデル

1997年にデビューしたタイプ996。300ps/35.7kgmを発生する水冷3.4Lフラット6を搭載。涙目型といわれたヘッドライトが特徴だ
1997年にデビューしたタイプ996。300ps/35.7kgmを発生する水冷3.4Lフラット6を搭載。涙目型といわれたヘッドライトが特徴だ
2002年マイナーチェンジした996後期型。ヘッドライトデザインが911ターボと同形状に変更。エンジンはバリオカムプラスを採用し、3.6Lに拡大、320ps/37.6kgmを発生する
2002年マイナーチェンジした996後期型。ヘッドライトデザインが911ターボと同形状に変更。エンジンはバリオカムプラスを採用し、3.6Lに拡大、320ps/37.6kgmを発生する

996型911の中古車情報はこちら!

 そしていよいよ大スター「911」の登場である。

 大スターであるポルシェ911の場合、車両価格200万円レベルで探せるのは当然ながら最近のモデルではない。

 かといって往年の空冷モデルでもなく(←むしろこれはかなり高い)、911としては初の水冷エンジン搭載モデルとして今ひとつ人気薄だった996型(3世代前の911)の、なおかつさらに人気薄な前期型カレラ(1998年4月~2001年8月)である。

 前期996カレラの搭載エンジンは最高出力300psの3.4L水冷水平対向6気筒で、トランスミッションは6MTまたはATのティプトロニックS。ただし格安中古車の大半はティプトロニックSで、6MTを狙う場合の車両価格は最安でも320万円以上となる。

 で、前期型のカレラ ティプトロニックSであれば車両価格190万円付近から探すことはできるのだが……いざ実物を見てみると、これのコンディションも初代ボクスターの底値物件とおおむね同様である。

●内外装がボロい(ネットの写真ではさほどボロく見えないのだが)。
●内外装がボロくて、なおかつエンジンから妙なうなり音がする。
●内外装はまあまあキレイだが、エンジンから妙なうなり音がする。
●ボロくない感じだが、車内がなぜかとってもクサい。

 という4パターンのいずれかに該当する場合が多いのだ。

 こういった中古車を買ったところで結局は満足できず、満足できないだけならまだしも、納車後にどこかが壊れ(というか、ほとんど交換されちゃいなかった消耗部品が交換時期を迎え)、部品交換の必要が生じるのは目に見えている。

 さらにその部品代がポルシェの場合は高額であるため(安価なOEM部品もあるが、それにしたって国産車の部品代と比べればやはり高い)、満足できない車に対して割高な修理費を払うハメになるか、もしくは二束三文で手放す(厄介払いする)ハメになる可能性が高い。

996型911前期型のリアフォルム。ボディサイズは全長4430×全幅1765×全高1305mm
996型911前期型のリアフォルム。ボディサイズは全長4430×全幅1765×全高1305mm

 筆者の調査によれば、検討対象になり得ると思えた996型ポルシェ911の価格はおおむね「前期型=290万円以上/後期型=390万円以上」で、それぞれのスペックイメージは下記のとおりである。

【996型カレラ(前期型)】
・2000年式ポルシェ911カレラ ティプトロニックS
・290万円/走行3.5万km/左H/AT/D車/修復歴なし

【996型カレラ(前期型)】
・2004年式ポルシェ911カレラ ティプトロニックS
・390万円/走行3.5万km/左H/AT/D車/修復歴なし

■現実的なポルシェの最低価格は?

コンディションの良い初代ボクスターを探し、最初にしっかりと整備すれば、乗り出し価格200万円台でポルシェオーナーになれるかも!?
コンディションの良い初代ボクスターを探し、最初にしっかりと整備すれば、乗り出し価格200万円台でポルシェオーナーになれるかも!?

 以上、あくまで「筆者が見た限りでは」という話ではあるが、ここまでの情報を整理すると下記のとおりとなる。

【現実的な格安ポルシェの最低価格イメージ】
●初代ボクスター|220万円
●2代目ボクスター|260万円
●初代ケイマン|270万円
●996型911(前期)|290万円
●996型911(後期)|390万円

 上記は車両本体価格であり、実際に購入するにはこのほかに「諸費用」もかかるため、リアルな最低総額は「初代ボクスターで250万円ぐらい、911だと320万円ぐらい」ということになるはずだ。

 そのため、本稿のタイトルは「200万円ぽっきりのポルシェが云々」というものをつけているが、結論は「残念ながら200万円ぽっきりではやっぱ無理でした!」ということになる。申し訳ないとは思うが、これが現実である。

 だがコンディション良好な初代ボクスターであれば、最初にビシッと納車整備を施したとしても、乗り出し価格200万円台で収めることも十分に可能。

 もちろんその後の数年間に必要な消耗部品代は国産車より割高なわけだが、そこを許容できるのであれば、「200万円台の初代ボクスター」を買ってみるのは悪くない話だ。

 軽快でありながら硬質な、そして今となっては可憐なサイズの、素晴らしい車である。状態さえ良ければ「うむ、さすがはポルシェ!」と唸ることになるだろう。

 なお、「50万円ぐらいの初代カイエン」については、あまりにも論外であるため割愛した。重量があるため各部への負担が大きく、部品代も何かと高額な初代ポルシェカイエンの中古車を買うなら、最安でも「250万円以上」の車両価格を目安としてほしい。

【画像ギャラリー】格安で狙えそうなポルシェを画像で見る!

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