■初代シビック タイプR
そして、ホンダの“テンロク”エンジンの集大成と言えるのが、1997年8月に登場したシビック タイプRに搭載されている、B16B 98spec.Rと呼ばれる1.6L、直4DOHC VTECエンジンだ。
長年モータースポーツに挑み続け、エンジンチューニングを手がけてきたホンダならではの高出力技術を採用し、自然吸気エンジンで世界最高峰のリッター当たり116psを達成。
カムシャフトをはじめ、ピストン、クランクシャフト、コネクティングロッドなど様々な部分に高出力・高回転化技術を投入し、10.8という高圧縮比を実現。
そして最高出力185ps/8200rpm、最大トルク16.3kgm/7500rpmという高出力を発揮。主に高回転域のトルクを厚くすることにより、アクセル操作に追従した爽快な伸びを実現している。またピストンなどのフリクションを低減させることにより、レスポンスに優れた加速フィールを獲得している。
現在、1997年〜2001年まで販売された初代シビック タイプRの中古車は約51台流通していて、平均価格は約272万円と新車時価格を上回っている。
中古車の価格帯は約150万〜約798万円で、最高値の中古車は稀少なイエローのボディカラーで、最終型のタイプR X。このほかにも300万円以上の中古車が約20台も流通している。チューニングカーもあるが、ノーマルもしくはノーマルに近いコンディションの中古車が高値となっている。
■カローラFX
ZC、B16A、B16Bとホンダの“テンロク”エンジンを3機紹介してきたので、続いてはこのホンダのライバルとして君臨したトヨタの4A-Gエンジンを紹介する。4A-G型1.6L、直4DOHCエンジンはZCよりも早い、1983年5月に登場したAE86カローラレビン/スプリンタートレノに搭載された。
言うまでもなくAE86はFR車で、1987年に行ったフルモデルチェンジで登場したAE92型からはFFモデルとなる。また、1984年に登場した2BOX車のカローラFXの最上級グレードGTにも、4A-Gエンジンは搭載されている。
デビュー当初、最高出力130ps/6600rpm、最大トルク15.2kgm/5200rpmだったが、AE92ではスーパーチャージャーを装着し、最高出力145ps、最大トルク19.0kgmにパワーアップ。
そしてAE101では20バルブ化、ハイオク仕様などにより最高出力160psに向上。最終的には最高出力165psまで出力が向上した。
4A-Gエンジンの魅力はアフターパーツも充実しているが、進化したエンジンのパーツも流用出来ることにある。それがAE86カローラレビン/スプリンタートレノが現在でも色あせない魅力を放つ一因となっている。
少々話がそれてしまったが、シビックに対抗して投入されたホットハッチのカローラFX。
1984年〜1987年まで販売された初代そして、1987年〜1992年まで販売された2代目モデルの中古車は流通しておらず、1992年〜1995年まで販売された3代目モデルのGTがわずか2台流通しているのみ。価格は約108万円で、シビックと比較すると割安な相場となっている。
流通している中古車のうち、1台はフェンダーミラーという超レアなクルマだ。
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