超500万円以下のR35GT-R中古車は大丈夫? 安いから買うと大ヤケド!?

超500万円以下のR35GT-R中古車は大丈夫? 安いから買うと大ヤケド!?

 振り返ってみると、2007年はスゴイ年だった。日産からはR35型GT-Rそして、レクサスからはIS Fというプレミアムスポーツカーが登場したからだ。新車時価格もGT-Rが777万~834万7500円、レクサスIS Fは766万円と拮抗していたことから当時は自動車雑誌を賑わせた。

 販売開始から13年が経過し、レクサスIS Fは2014年で生産終了となったが、GT-Rは1億5000万円超のイタルデザインGT-Rを発売するなどまだまだ進化している。

 現行モデルと絶版モデルという違いもあるが、中古車の最安値を比較してみると、GT-Rが約430万円なのに対してIS Fは約148万円。

 流通台数もGT-Rの約186台に対して、IS Fは約57台と最安値、流通台数ともに約3倍の開きが生じているのだ。流通台数はモデルの生産年月の長さの違いも大きいが、最安値の差は中古車特有の“人気”という要素の影響が大きい。

 そこで、今回は販売開始から13年を超えたR35型GT-Rの中古車の中でも500万円以下の中古車は買っても大丈夫なのか、中古車事情に詳しい萩原文博氏が解説する。

文/萩原文博、写真/ベストカー編集部、日産自動車

【画像ギャラリー】R35GT-Rのデビュー当時とその後の画像をチェック!


■2007年に登場したR35GT-R

VR38DETT型3.8L、V6 ツインターボエンジンは初期のモデルは480ps、2008年12月の小改良以降のモデルは485ps、2010年11月発売の2011年モデルは530psとパワーアップを図っている
VR38DETT型3.8L、V6 ツインターボエンジンは初期のモデルは480ps、2008年12月の小改良以降のモデルは485ps、2010年11月発売の2011年モデルは530psとパワーアップを図っている

 2007年、「誰でも、どこでも、どんなときでも最高のスーパーカーを楽しめる」というコンセプトを具現化した新次元のマルチ・パフォーマンス・スーパーカーとしてGT-Rが登場。

 搭載されるエンジンは最高出力480ps、最大トルク588Nmを発生する3.8L、V6ツインターボで6速のデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせている。また世界で初めてクラッチ、ミッション、トランスファーをリアに移動させ独立型トランスアクスル4WDを採用したのが特徴だ。

VR38DETT型エンジンはさらに進化を続け、2012年モデルから2015年モデルまでは550ps、2017年モデルは570ps、2014年2月末販売のNISMOモデルは600psを発生した
VR38DETT型エンジンはさらに進化を続け、2012年モデルから2015年モデルまでは550ps、2017年モデルは570ps、2014年2月末販売のNISMOモデルは600psを発生した

 サスペンションは「走り、曲がり、止まる」を高次元で創り出すビルシュタインダンプトロニックにより、あらゆる走行シーンに対して、車両データから最適に電子制御された減衰力を提供。

 ブレーキシステムは超大径のブレンボ製フルフローティングドリルドローターと高剛性パッド、及びブレンボ製モノブロックキャリパー採用。あらゆる走行シーンで安定した制動力と、高い耐フェード性能を実現している。

 2008年の一部改良で最高出力は485psに向上。さらに新構造のショックアブソーバーの採用や、フロントバネレートのアップを含むサスペンションセッティングの変更により、回頭性の良いハンドリングと、よりフラットな乗り心地を両立した性能向上を図っている。

 2009年の一部改良で、フロントサスペンションのショックアブソーバーとスプリングの精度を向上させることにより、さらに上質な乗り心地を実現。リアサスペンションはラジアスロッドブッシュの剛性を高めることで、路面との接地感がよりダイレクトになった。

ドイツのニュルブルクリンクサーキットで繰り返しテストを行い、雨や雪などの天候変化を含む路面状況でも運転を楽しめる走破性を実現した
ドイツのニュルブルクリンクサーキットで繰り返しテストを行い、雨や雪などの天候変化を含む路面状況でも運転を楽しめる走破性を実現した

 2010年には初のマイナーチェンジを行い、外観は独創的なGT-Rデザインに空力性能向上アイテムを織り込みながら安定感と迫力を向上。

 インテリアは新形状のナビモニター周りのパッドとフィニッシャーや、カーボン製センタークラスターフィニッシャーなどを採用し、よりスポーティな印象を強調。

 パワートレインの面では、ターボチャージャーのブースト圧やバルブタイミング、空燃比を変更するとともに、インレットパイプ径の拡大などによる吸気抵抗の低減とエキゾーストパイプ断面の拡大化などによる排気抵抗の提言を実現したことで、JC08モード燃費を8.6km/Lに向上。

 しかも最高出力を530ps、最大トルクを612Nmへと大幅に向上させている。

 2011年の一部改良ではエンジンの最高出力が550ps、最大トルク632Nmまで向上。2012年はエンジンの中回転域のレスポンスや高回転域の伸びを向上させたほか、ボディ剛性を高め、ショックアブソーバーやスプリング、フロントスタビライザーの仕様変更を行っている。

GT-R伝統の4つのリング型テールランプに空力を考慮したリアスポイラー、4本出しマフラー、床下の空気を整流して排出するバンパー下部などを組み合わせたリアフォルム
GT-R伝統の4つのリング型テールランプに空力を考慮したリアスポイラー、4本出しマフラー、床下の空気を整流して排出するバンパー下部などを組み合わせたリアフォルム

 2013年には2度目のマイナーチェンジを行い、シャシーやサスペンションのセッティングを見直し、ステアリング修正の少ない高水準の走行安定性と、優れた路面追従性がもたらす上質な乗り心地を実現させている。

 また、外観では「稲妻の閃光」をイメージした新デザインの高効率LEDポジションランプによるランプシグネチャーを採用したほか、LEDのヘッドランプやリアコンビランプを採用した。2013年11月にGT-R NISMOを発表。最高出力600ps、最大トルク652Nmというハイスペックな仕様となっている。

 2014年には、パワートレインの制御の最適化をはじめ、ショックアブソーバーの減衰力特性の変更やECUのチューニングを実施。さらにブレーキやタイヤも見直され、乗り心地の向上やノイズの低減を図る一部改良を行っている。

金属調フレームのセンターコンソールに、シフトゲートとエンジンスタートボタンを配置。赤いエンジンスタートボタンはエンジンに火を入れるという意味が込められている
金属調フレームのセンターコンソールに、シフトゲートとエンジンスタートボタンを配置。赤いエンジンスタートボタンはエンジンに火を入れるという意味が込められている

 2016年に3度目のマイナーチェンジを行い、内外装の変更をはじめ、標準モデルのエンジンにもGT-R NISMOの技術を採用した気筒別点火時期制御を採用し、ノッキングの発生を抑え、燃費を損なうことなく最高出力570ps、最大トルク637Nmまで高めた。

 またナビゲーションのディスプレイは7インチから8インチに拡大している。シフトパドルはステアリングホイール固定タイプに変更され、操作性が高まっている。

 2017年の一部改良では「国土交通省認可 サッチャム欧州カテゴリーII準拠 車両防盗システム」を全グレードに標準設定したほか、全グレードでApple CarPlayに対応した。

 そして2019年の一部改良では、GT-R NISMOに採用してきたレスポンスに貢献するターボ効率化技術「アブレダブルシール」を採用し、高レスポンスを実現した。

 また外観では、ひとつひとつ手作りで加工するチタン製のエキゾーストフィニッシャーが採用され、新デザインのホイールと合わせて存在感を一層高めている。

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