■現行モデルのおすすめグレードは?
S4は、2014年のデビューです。発売当初はWRXの大人のセダン、あるいは欧州プレミアムセダンをライバルに見据えたプレミアムセダンといった位置づけでした。
WRXをベースにしているためか、初期モデルは操作系が重めで、サスペンションも硬くハードな味付けでした。また静粛性もプレミアムセダン? と聞き返したくなるくらいには騒がしいものでした。
そんなこともあってS4は2015年、最初の年改で早くもサスペンションに手を入れます。ダンパーのフリクションを減らし、しっとりした乗り味を作り出しています。
安全運転支援系のアップグレードも図られました。
2016年には上質感を高めるべく静粛性の向上が図られました。ドア回りのウエザーストリップを2重にして遮音性を高めたり、遮音材を増量するなど、通例では走り系のアップグレードが目立つスバルの年改ですが、今回は静粛性に注力した改良がおこなわれたのでした。
そして2017年には再び前後サスペンションの改良を、スタビライザーのセッティング変更まで含めて行い、操縦安定性や乗り心地の向上を図っています。
踏力が必要なブレーキタッチの改良も行われています。ブレーキパッドのミューを高めることと合わせて軽く操作性のいいものに変更しています。
またアイサイトも、社内呼称アイサイト3.5と呼ばれる進化型が搭載されました。この2017年モデルでWRX S4現行モデルはほぼ完成の域に達したといっていいと思います。
さらに2018年にはプリクラッシュブレーキの改良が施され、STIによって開発された新グレード「STI Sportsアイサイト」を追加。2020年に「STI Sportsアイサイト」のみ販売となります。
重複しますが、選択肢は、1)次期型、2)STI Sportsアイサイトの在庫新車及び新古車。3)中古車、が考えられます。1)の是非はひとまず置いておいて、2)と3)について考えてみましょう。
予算に余裕があるなら2)のSTI Sportsアイサイトの購入はよい選択だと思います。ただ、限定モデルとなるSTI SportsのS4は416万9000円と高価です。搭載するエンジンが名器EJ20ならまだしも主力エンジンとはいえ現行型FA20型ですから……。
3)の中古車にするならできるだけ高年式がお薦めです。具体的には、2回目の足回り変更が行われた2017年モデル以降がお薦めです。レギュラーモデルでもっとも完成度の高いモデルだからです。価格的にも300万円台前半くらいで選べるようです。
■次期型の登場に期待!
……とここまで引っ張ってきてしまったのですが、価格があまりに法外な設定でない限りは、次期型WRX S4がお薦めです。なんといっても魅力的なのはSGP(スバル グローバル プラットフォーム)です。レヴォーグでの出来を見る限りかなり改良が進んでいるからです。
しかもレヴォーグからさらに進化が期待できるので、走りの性能で考えたら、あえて現行型を選ぶ理由は少なくなります。また、ひとまず熟成した現行型WRX S4で300馬力の走りを楽しんでおいて、2~3年したところで熟成が進んだ次期型に乗り換える、というのはありだと思います。
SGPは、これまでのスバルのプラットフォームとは異なる新しい潮流です。
これに対して現行型WRX S4のプラットフォームは、レガシィ、WRX、WRX S4、フォレスターなど、これまでのスバルの走りを作り上げてきたプラットフォームの集大成といえるものなので、スバルファンなら現行型を言う選択肢もありだと思います。
でも、まあ普通に考えたら次期型待ちが有力だと思います。
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