2013年11月20日、第43回東京モーターショーにおいてワールドプレミアされ、 2014年4月に発売を開始した日本国内専売ステーションワゴン 「レヴォーグ」。現在ではフォレスター、XVと並び、スバルの人気モデルとなっている。
最新2カ月の販売台数は、フルモデルチェンジしたフォレスターやXVには負けるものの、8月度1685台、9月度1105台と、スバルのラインアップのなかでは堅調な売れ行きだ。
そんな失敗の許されない人気モデルの新型が、ついに2019年10月23日に東京モーターショーで発表された。まだコンセプトとしているが、外観などはほぼこのまま発売されることになるだろう。
そこで、モーターショー会場で直接開発者に取材し、聞くことに成功した新型のポイントや、発売時期、価格といった、新型を検討している人には気になってしょうがない情報を、渡辺陽一郎氏がお届けする。
文/渡辺陽一郎
写真/SUBARU 、編集部
【画像ギャラリー】エッジの利いた、新型レヴォーグのエクステリアデザインをチェック!
■デザインから見える、新型レヴォーグのポイント
今は欧州市場を除くと、ワゴン(ステーションワゴン)の人気が下がり、特に国産車は車種数を減らしている。
少数精鋭になったワゴンカテゴリーのなかで、注目される車種がスバルレヴォーグだ。ミドルサイズのボディは運転しやすく、後席と荷室にも相応の空間があって居住性や積載性も良好だ。エンジンは水平対向4気筒でターボが装着され、スバルらしい走りのよさを満喫できる。レヴォーグはワゴンの定番車種になった。
このレヴォーグが、2代目にフルモデルチェンジされる。次期型の国内発売は、メーカーによると2020年後半だ。販売店に尋ねると「詳細なスケジュールは知らされていないが、おそらく発売は9月頃で、受注は6月頃に開始するだろう」という。
フルモデルチェンジに先立ち、レヴォーグのプロトタイプ(試作車)が第46回東京モーターショーに出展されたので、内容を見ていきたい。
まず外観は、基本的に現行型を踏襲した典型的なワゴンスタイルだ。そのうえで違いを見ると、フロントマスクは鋭角的になり、フェンダーの張り出しも強調されている。今のスバルの造形は「ダイナミック&ソリッド」で、力強く塊感のあるデザインをテーマにしており、次期レヴォーグも現行型に比べて存在感を強める。
フェンダー周辺の形状は、SUVとワゴンの中間的なクロスオーバー風にも見える。今の街中には、SUVやクロスオーバーが増えて、現行レヴォーグは少し控え目な印象になった。そこが流行に便乗しないスバルらしさでもあるが、次期型は少し戦闘的な方向へ発展する。
注意したいのは後方視界だ。現行レヴォーグでは、サイドウィンドウ下端のラインがほぼ水平だが、次期型はリヤ側のドアノブ付近から持ち上げている。前方と側方の視界は現行型とほぼ同じだが、斜め後方は悪化する。
スバルは車両開発の考え方に「0次安全」を掲げてきた。周囲の見やすい良好な視界などを確保することで、走る前から安全性を高める発想だ。カッコよさと優れた機能の両立は、工業デザインの本質だが、今のクルマは日本車、輸入車を問わず視界が大幅に悪化している。この流れのなかで、スバル車は今でも他メーカーに比べると視界が優れているが、現行インプレッサ以降は後方が少し見にくくなってきた。
開発者に「もはや0次安全はどうでもよくなったのか?」と尋ねると、「絶対にそんなことはない。デザイナーとエンジニアの間では、ミリ単位での検討が繰り返されている」とコメントした。この言葉が本当なら、スバルにとって次期レヴォーグの視界が限界だろう。
コメント
コメントの使い方