次期アウトランダーは偉大な初代の功績を越えることができるのか?

次期アウトランダーは偉大な初代の功績を越えることができるのか?

 昨年、世界累計販売台数20万台を達成した、三菱のプラグインハイブリッド車、アウトランダーPHEV 。プラグインハイブリッド世界累計販売台数ナンバー1(2019年5月末時点)となるなど、今や世界中で認められている、三菱のフラッグシップカーだ。

 アウトランダーPHEVは、電気自動車ベースのシステムを搭載し、駆動用バッテリーが十分な容量のときはEV走行、必要に応じ、エンジンとジェネレーターがサポートする。EV、シリーズ、パラレルの3つの走行モードを効率よく切り替えることで、長距離走行が可能だ。

 素晴らしい実績を打ち立てた、アウトランダーPHEVだが、つい先日デビューした「RAV4 PHV」は、なんと、このアウトランダーPHEVを上回るスペックで登場してきた。しかし、アウトランダーPHEVも、次期型が2020年内に発表、とのウワサがあり、その内容は気になるところだ。

 次期型は、日産エクストレイルとプラットフォームを共用する、という情報もある。果たして、次期型アウトランダーPHEVは、初代の功績を打ち破ることができるのだろうか。

文:吉川賢一/写真:MITSUBISHI、TOYOTA、ベストカー編集部/撮影:平野学、中里慎一郎

【画像ギャラリー】PHEV対決!アウトランダーPHEVとRAV4PHVを写真でチェック!


ポイントは「バッテリー容量」

 PHEVの魅力といえば、ハイブリッド車よりも長く走れる、EVモードの航続距離だろう。現行型アウトランダーPHEVが積む駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量は13.8kWh、EV走行距離は65kmと、日常の足としてならば、EVのみで済ますことができる。しかし、先日登場したRAV4 PHVは、バッテリー総電力量18.1kWh、EV走行距離は95kmと、アウトランダーPHEVを上回ってきた。

現行型アウトランダーPHEVはバッテリーの総電力量13.8kWh、EV走行距離65kmを誇る。

 バッテリー容量増大=車両重量増大=電費悪化&価格上昇となるため、「EV走行距離は長い方が偉いのだ」と、カンタンに言い切ることはできないのだが、ユーザーの心理としては、「たくさん走れたほうがいい」となるため、どうしてもEV走行距離が長い方に惹かれていく。このバッテリー容量の落としどころは、次期型アウトランダーPHEVにとって、大きなポイントとなるだろう。

次期型アウトランダーPHEVはどんな姿でやってくる?

 昨年の東京モーターショー2019において、ミッドサイズの電動SUVコンセプトカー「エンゲルベルクツアラー」が披露されていたが、これが次期型アウトランダーPHEVの姿なのではないか、とされている。

 エンゲルベルクツアラーは、これまでのオンロード寄りのスタイルから、ハードな走行もこなせるオフロードSUVのイメージをモチーフにしたデザインが与えられている。三菱のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」をふんだんに取り込んだワイルドなフロントグリルは、新しい客層へもアピールができるだろう。ちなみに3列シートのSUVとなる。

ミッドサイズの電動SUVコンセプトカー「エンゲルベルクツアラー」。ショーカーモデルだが、この中に次期型アウトらんだーPHEVのデザインのヒントがあるはずだ。

 気になるエンゲルベルクツアラーの中身は、アウトランダーPHEVで培った三菱独自のツインモーター方式PHEVシステムが、次世代の電動化技術と四輪制御技術により進化させ、搭載される。

 搭載するパワーユニットは、2.4リッター直列4気筒エンジン+モーター。EV航続距離70km以上、満充電・燃料満タンの状態からの総航続距離は700km以上(WLTP)としているが、これらはライバル車の動向を見ながら、設定することができるだろう。筆者は、RAV4 PHVを超える「EV航続距離100km」にするのではないか、と予想している。

 また、フロントとリヤにモーターを搭載するツインモーター方式のフルタイム4WDにおいて、前輪左右の駆動力配分をブレーキで制御する、あのランエボにも採用されていた「AYC」を採用、さらに、走る・曲がる・止まるといった運動性能を、飛躍的に高める車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」も採用されるという。

 日産も4WD制御に関しては経験が長く、優秀な4WD制御技術を持ち合わせており、共用なすることが前提の新世代SUVの4WDシステムを、どちらが主導していくのかも、関心が高いところだ。

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