マツダが年内に発売するとしたCX-8は、小飼雅道社長が「3列目まで大人がしっかり座れるパッケージングを実現したモデルで、マツダの新しい提案」と語るように、
SUVながらミニバン的なユーティリティを持つところが最大のセールスポイントとなる。
何より驚いたのは、マツダはこの車をラインアップすることで、プレマシーとビアンテの生産終了を宣言。「ミニバン」市場から実質的な撤退を表明した。
選択と集中、ということだろう。
なるほど確かにマツダは「魂動デザイン」を自社のアイデンティティと考えており、あのソリッドで挑戦的なフォルムは(近年ますます「派手顔」が隆盛を極めている)ミニバン市場には向いていない。
しかしだからといって極端すぎないか? はたしてマツダが提案する「多人数乗車SUV」は、日本で受け入れられるのか?
文:ベストカー編集部、国沢光宏
ベストカー2017年6月26日号
■クロスオーバーSUVは世界的なヒット……だけど
日本でサードシートを持つSUVといえば、ランドクルーザーやパジェロこそあるが、乗用車ベースのSUVではごく一部にとどまる。
アウトランダーやエクストレイルにラインアップされるくらいで印象は薄い。
しかし、今年中にデビューするマツダCX-8のボディサイズはそれらよりもひとまわり大きく、人気のアルファードやヴェルファイアとほぼ同じだ。価格も350万円前後からと予想され、競争力もありそう。
北米では多人数乗車SUVがミニバンを人気で凌いでいるというが、日本ではそのジャンル、日本市場ではどう受け取られるだろうか?
- 【CX-8 予想スペック(2017年10月発表予定)】
- 全長4900mm×全幅1840mm×全高1730mm
- ホイールベース2930mm
- エンジン直4ディーゼルターボ(AKYACTIV-D)
- 排気量2188cc、175ps/42.8kgm
- 6〜7人乗り
- JC08モード燃費16.0km/L
- 価格350万円
2017年5月14日、中央道下りの談合坂サービスエリアで、そこに来ているドライバーの皆さんに「多人数乗車SUVの印象」を聞いてみた。
プラドに乗るSさんは、「安心感はミニバンよりもSUV、かっこいいSUVが日本で発売されれば、購入するかも」と肯定的。
アルファードに乗るNさんは、「子どもが小さいならSUVでもいいけれど、小学生高学年になると3世代乗るのは厳しくて、そうなるとミニバンを選ぶのが無難」と話す。
マツダCX-5オーナーのHさんは、「CX-8が気になります」と前置きしたうえで、「日本では3列シートがあるSUVは、スマートさが足りない。乗用車ベースで価格が抑えられれば、SUVを選ぶ人が増えると思う」と答えてくれた。
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