グローバリズムな世の中といいながらも、やっぱり残る国による文化や風土の違い。となればおなじみの日本メーカーが作るクルマでも、そのエリアごとに違うモノができてきてむしろアタリマエ。
そんななかでも気になるのが、日系メーカーがアジア地域で販売する通称「アジアンカー」たち。日本と異なる価値観、そして交通環境に対応するために生み出されたモデルには、なんというか、絶妙な「ダサカッコよさ」が漂う。
今回はそんな局地的カーマニアに刺さりまくるアジアンカーを対象に、デザインアワードを開催。判定は清水草一氏。はたしてアジアの覇者となるモデルはどれか!?
【画像ギャラリー】ホンダ車もエントリー! 日系メーカー謹製のアジアンカー総勢19台をギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年7月のものです
文:清水草一/車両解説:大音安弘/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2020年8月26日号
■濃厚顔面減少傾向?? それでもやっぱり少し濃いクチ
アジアの自動車市場は日系メーカーの金城湯池! 中国ではVW系に負けてるけど、東南アジアじゃ無敵! 日系がシェアの8割を握っている。
でも、そんなアジアでどんな日系自動車が走ってるのか、詳しくは知らなかったりする。そこで今回は、それらを一堂にご紹介いたします!
クルマのルックスはファッションと同じで、お国柄というか、その土地の好みが反映される。
東南アジアは日本よりはるかに暑いので、料理が辛かったり甘かったり、全般に味が濃いように、クルマのルックスも濃くなりがちだ。
でも、近年はここにもグローバル化の波が押し寄せているようで、あんまり激辛なデザインは見当たらず、このまま日本で売っても全然問題なさそうだったりする。
特に中国は、日米欧とほぼ同じデザインテイストになった。世界はフラットになりつつある!
それでもまぁ、日本向けよりはやっぱり濃い目だ。
たとえば、インドで生産されているスズキ ワゴンRを見ると、まさにカレーの国のワゴンR!
プラットフォームは日本のワゴンRと同じだけど、全幅は1620mm(日本のワゴンRは全幅1475mm)もあるし、顔つきもはるかにコッテリ濃厚! アジアを感じるなぁ。
同じくスズキのエスプレッソも、まさにカレーの国の小型SUV。この長い顔、濃い目鼻立ち、微妙にエキゾチックじゃないか。
トヨタ/ダイハツ連合のアギア/アイラ(インドネシア生産)あたりは、日本で売っても違和感はぜんぜんなさそうだけど、これまた微妙に目鼻立ちが濃い。
若干化粧が濃い程度の違いではありますが、なにしろ世界はフラットになりつつあるので、こういうところに異国情緒を感じるしかない。
アジアに強い三菱は、ここでもダイナミックシールドを展開中。
いや、エクスパンダーの甘いフォルムとゴツい顔の組み合わせ(激甘辛風味)を見ると、ダイナミックシールドはアジアで生まれたのか! と気付かされる。
これを見た後でデリカD:5を見ると、「上品で薄味かも」って感じます。
一番国内向けとの差を感じるのは、日産だ。途上国向けのダットサンブランドの統一デザインは、古きよき? 途上国向けっぽいというか、はっきり言って非常に安っぽい。
そのせいもあって、ダットサンブランドは販売目標を大幅に下回る不振が続いている。
世界はフラットになっていることに、ゴーン元社長は気付いていなかったのかぁ!?
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