毎月200店以上の新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回まずは、トヨタがタイで発売したカローラクロス。このカローラクロスが国内導入の動きを見せている? という話題から。
ほか、全系列店での販売統合が行われたトヨタ系列店の様子や、スズキ・ダイハツの軽販売頂上決戦、そして新型情報など、年末に向けて加速する自動車業界の“今”を取って出し!!!
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※本稿は2020年9月のものを適宜修正しています。
文/遠藤 徹、写真/ベストカー編集部ほか
初出:『ベストカー』 2020年10月26日号
■新型SUVのカローラクロスを来秋に国内投入か?
トヨタは来秋、新型上級コンパクトSUV「カローラクロス」を国内に投入する方向で調整をしている模様です。
トヨタには同クラスにC-HRがありますが、C-HRがよりスポーツ色の強いスタイリッシュなSUVであるのに対し、カローラクロスは室内空間に余裕を持たせた遊び道具のようなSUVという位置づけで、コンセプト分けをします。
パワーユニットは1.8Lと1.8Lハイブリッドを搭載。駆動方式はFF&4WDが設定される見込みです。
車両価格は235万~310万円でC-HRと同じくらいになると思われます。デビューはカローラシリーズのマイナーチェンジに合わせて設定するようです。
■「トヨタの敵はトヨタ」の状態が加速
全系列店でのトヨタ全車の併売が、今年5月に全国規模で始まってから約5カ月が経過しました。
各系列店の一部では「従来は他店の専売だった人気モデルが、自分の販売店でも扱えるようになったので商売がやりやすくなった」と好意的に受け止めているようです。
しかし一方で、販社を統合した東京や神奈川地区を除いては、多くの地域が4系列店の販社が別法人のまま引き続き存続しているため、激しいシェア争いが勃発して「トヨタの敵はトヨタ」という状況が多数発生しています。
ニューモデルによるマーケットニーズが高い時期はそれほど問題がありませんが、そのニューモデルの需要が一巡した時期に入ると、売れゆきを回復させるために乱売に走る必要性が出る可能性があります。
特に経営基盤が弱く、これまで乱売することもあったカローラ店とネッツ店は苦境に追いやられる確率が高くなりそうです。サバイバル戦に敗れた販社は他系列店に統合され、結局トヨタ販社全体のセールスパワーが削がれる事態になることも予想されます。
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