成功者の証として、世界のエグゼクティブに愛され続けるメルセデス・ベンツのフラッグシップセダン「Sクラス」。
第7世代となる新型は、2020年9月にオンライン発表会でワールドプレミアを実施。威風堂々としたSクラスらしいエクステリアの内側に秘めた新提案のラグジュアリーカーの世界観に驚かされたことは記憶に新しい。
そんな新型Sクラスが、2021年1月28日より発売が開始され、ついに試乗する機会が訪れた。新型Sクラスに備える数々の新機能の紹介を含め、試乗レポートをお届けしたい。
文/大音安弘、写真/塩川雅人(ベストカーWeb)
【画像ギャラリー】ついに発売!! ついに体験!! メルセデス・ベンツ新型Sクラスに試乗
■スピード上陸は日本市場重視の証!?
7代目となる新型Sクラスがついに日本上陸した。発表から約4か月というスピード上陸を果たしたのは、メルセデス・ベンツにとって日本市場の重要さを示す証と言えるだろう。もちろん、それを支える多くのSクラスファンが存在するわけだ。
そんな新型Sクラスの日本仕様は、グレードを厳選。ガソリン車の「S 500」とクリーンディーゼル車の「S 400d」に、それぞれ標準ボディとロングボディを用意する。つまり全部で4タイプしかない。
しかし、それはスピード感を持って日本導入を図るための秘策でもある。新型モデルで恒例となった人気オプション満載の導入記念車「ファーストエディション」も用意されているが、驚くべきことに、「S 400d」と「S 500」のいずれもロングボディのみ。ここにSクラスが抱えるユーザー層の特殊性が伺える。
そこで試乗車も豪華絢爛な「S 500 4MATICロング」を選択し、ひと時のプチオーナー気分を味わってみることにした。車両だけで、1724万円。なんとオプション込みの総額は、約2000万円を超える仕様である。
まずはビジュアルから見ていこう。
写真で見るよりも実物の方がカッコイイ。新生代メルセデスデザインを取り入れたSクラスは、シンプルかつ流麗なスタイルが特徴。他モデルよりも控えめであるが、よりスポーティなスタイルに進化している。
歴代モデル同様に近寄り難い雰囲気を放つが、ただ先代よりも威圧感は薄まったように思える。新型の持つ迫力の秘密は、余計な線を徹底して省いた彫刻のような造形美にあるのだろう。一言でいえば隙が無いのだ。
しかし、ドアに近づくと、格納式ドアハンドルが起動し、Sクラスはお出迎えの体制に。まるで私を受け入れてくれたかのような感覚となり、少し嬉しくなった。
運転席まわりのデザインは、かなり未来的だ。
センターコンソールと一体デザインとなる縦長インフォテイメントシステムのインパクトが凄い。そして、水平基調のダッシュボードデザインもクルマというよりは、クルーザーのようである。
そんな造形からも運転時には、さぞセンターモニターが気になると思えたが、ドライバーの眼下にあるデジタルメーターとヘッドアップディスプレイが必要な情報をしっかりと表示し、運転中に必要な操作は、ステアリングスイッチで完結するため、センターモニターが気にならぬように設計されている。
この辺は、さすがメルセデスと唸らせてくれるところだ。
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