1989年に北米でスタートしたトヨタによる高級車チャンネルのレクサス。その後2005年に日本国内での販売が始まり16年が経過した。
他の販売店と一線を画したサービスでおもてなしサービスで知られるレクサスだが、コロナ禍の状況でディーラーではどのようなサービスを行っているのだろうか。
また北米のレクサスと国内のレクサスの販売方法の違いを解説してもらった。
文/小林敦志、写真/ベストカー編集部、Adobe Stock
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■国内開業当時の驚きの接客
レクサスはトヨタ自動車のプレミアムブランドとして、1989年より北米で展開が始まった。それから16年後の2005年に日本において、レクサスブランドが開業している。開業当初の取り扱い車種は、IS、GS、SCのみで、メイン車種といえるLSは2006年より取り扱いが始まっている。
全国に143店舗の展開で国内開業したのだが、そのほとんどは地元のトヨタ店やトヨペット店が母体となり、その母体販社の“レクサス事業部”として位置づけられており、カローラ店やネッツ店は店舗を構えることができなかったという話を聞いている。
当初レクサスは扱い車よりも、その店舗や販売手法に注目が集まった。
店舗の外観は黒がベースとなり(最近外観は変更を受けている)、広いショールームに、高級感漂う商談テーブルなどの調度品が置かれ、“オーナーズラウンジ”と呼ばれるスペースでは、高級陶磁器に入れられたコーヒーなどのサービスをオーナーは受けることができた。
また、当時は珍しかったのだが、個室トイレで便器の前に立つと、フタが自動的に開くタイプを設置しており、“レクサストイレ”などとも呼ばれ話題となった。
「おもてなし」をキーワードにした接客は違和感そのもので、ショールームレディが立膝ついて、飲み物を出してくれた時には“時間とくるところを間違えたのか“と錯覚した男性も多かったようだ。
また、商談ではどんなに親しくなっても、「~でございます」という口調を崩すことが許されなかった。「高級ブランドなのでお値引きはいたしません」とセールスコンサルティング(レクサスではセールスマンとは言わない)に真顔で言われびっくりしたのをいまも覚えている。
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