タイヤの使用限界はまず摩耗。しかし、ほとんど摩耗してないタイヤも年数が経ち、劣化すると使用限界が来る。しかも、走ってないクルマのタイヤほど劣化しやすいというから注意が必要だ。それはいったいなぜなのか?
また、近年はタイヤのパンクによるトラブルが増えているという。なぜパンクが増えているのか?
以上の2つのタイヤトラブルの「なぜ?」について、モータージャーナリストの斎藤聡氏が解説する。
文/斎藤 聡
写真/carbondale@AdobeStock、ベストカー編集部
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■その愛車、タイヤ交換が必要かも!?
私はあまりクルマに乗らないからタイヤの摩耗もほとんどない。タイヤ交換なんて必要ないよ。なんて言っているあなた。
もしかしたらタイヤ交換が必要になっているかもしれません。
タイヤの交換時期はタイヤが摩耗したら、というのが一般的な認識です。ところが、タイヤって走らなくても劣化が進むんです。タイヤは、摩耗していなくてもゴムが劣化して性能を大きく落としたり、タイヤ自体の柔軟性がなくなってバーストしやすくなってしまう、なんてことがあるんです。
少々極端な例かもしれませんが、以前そんな体験をしたことがあります。
2年くらいショールームで展示されて、まったく走っていなかったスポーツカーを使ってドライブする企画があって、ドライブに出かけたのですが、その途中にタイトな山道のセンターラインに埋め込まれたキャッツアイ(金属製の突起)を踏んで、あっさりタイヤがバーストしてしまいました。
試乗日当日、タイヤをチェックすると、トレッド表面がカサカサで、つやがなく細かなひび割れがサイドウォールにもできていたので、いやな予感はしていたのです。けれども新車の状態で展示されて2年なので、少し走ってトレッド表面が削れれば、フレッシュなゴムが出てくるだろうと考えていたのです。
ところがキャッツアイを踏んでしまい、その衝撃であっさりサイドウォールが切れてバーストしてしまったんです。
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