8年振りにフルモデルチェンジされ、1月からデリバリーが開始された一般オーナー向けのメルセデスとしてはフラッグシップとなる新型Sクラスに乗る機会があった。結論としては「世界の自動車をリードしていくメルセデスのフラッグシップにふさわしい存在」と断言できる、素晴らしいクルマだった。
それだけに何となくではあるが、新型Sクラスを特に都心では7月に入って路上で目にする機会が増えてきたのもよく理解できた。しかし、素晴らしい新型Sクラスながら、筆者は「ちょっとだけスッキリしないところ」もあり、ここではその理由などを考えてみた。
文/永田恵一、写真/塩川雅人(ベストカーWeb)
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■新型Sクラスってどんなクルマ?
Sクラスとしては7代目となるW223型と呼ばれる新型Sクラスは、Cクラス以上の今後のFR系メルセデスを牽引していく存在だ。それだけに新型Sクラスから採用された新技術や新しいコンセプトは
●エクステリア
・メルセデス初の格納型ドアハンドル
・Cd値0.22という空力ボディ
●インテリア
・物理スイッチの代わりとなる操作パネルも兼ねる、12.8インチの大型ディスプレイを核としたシンプルなインテリア
●衝突安全性
・前席バックレスト裏側に設置されたリアエアバッグ&後席シートベルトに内蔵されたリアベルトエアバッグ
●取り回しと高速域の走行安定性、コーナーでのターンインのシャープさを向上させるため、状況に応じて後輪を前輪と逆操、同操するリア・アクスルステアリング(4WS)
など、数多い。
また、静粛性やオーディオをはじめとしたエンターテイメント機能の充実といった快適性の向上、運転支援システムの進化なども抜かりない。
パワートレーンは本国仕様では4リッターV8ターボなどもあるが、日本仕様はそれぞれ4WDの4MATIC+9速ATとなる、3リッター直6ガソリンターボにエンジンとATの間に小型モーターを挟み込んだ48VマイルドハイブリットであるISGを組み合わせたS450 4MATIC系と、3リッター直6ディーゼルターボのS400d 4MATIC系の2つだ。
ボディもそれぞれに標準ボディとホイールベースを110mm延長し、リアシートの足下スペースを拡大したロングボディが設定される。
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