先日登場した日産 ノートオーラは、ノートをベースにしたいわゆる派生車。車名のとおり、ノートとの関連性は非常に高いモデルだ。
一方、中国で先日発表されて話題となったクラウンクルーガーのように、「メジャーなモデルの名前だけを借りた、そのモデルとは関係性がゼロに近い一種の派生車」も過去には意外に多かった。本稿ではそんなモデルを振り返ってみたい。
文/永田恵一
写真/TOYOTA、MITSUBISHI
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マークXジオ
2019年に生産を終了し、トヨタのアッパーミドルセダンとしてかつては一世を風靡したこともあったマークII&マークXは歴代FR車だった。その名声を借りたステーションワゴンに近いミニバンとして2007年に登場したのがマークXジオである。
当初、2列目がキャプテンシートとなる6人乗りとベンチシートで7人乗りの3列シートミニバンとして登場し、ホンダ オデッセイの3代目モデルに近いミニバンで、セダンのマークXとはまったく関係のないFF(前輪駆動)車だった。
マークXジオは、ミニバンの要素に加え、コンセプトにサルーン的な快適性という要素があったこともあり、1列目と2列目に乗っているぶんには乗用車的な高い快適性を持つなど、面白みこそ薄いもののいいクルマだった。
しかし、マークXジオが登場した時点でオデッセイも含めてステーションワゴン型ミニバンの需要が下火になっていたことに加え、3列目シートの狭さとクセのあるスタイルという大きな弱点があったこともあり、販売は伸び悩み、プリウスαに役割を引き継ぐ形で2013年に絶版となった。
プリウスEX/プリウスC
世界初の量産ハイブリッドカーとして1997年に登場したトヨタ プリウスは登場以来着実に成長。特に2009年登場の3代目モデルで爆発的なヒット車となった。
3代目プリウスは当時ハイブリッドが少なかったこともあり、同時期に登場したホンダ インサイトの2代目モデルと間接的に競合するケースもあった。
また「地方自治体で使うクルマは1.5Lまでという場合がある」といった対応もあり、3代目プリウスとは当然ながら別のクルマとなる2代目プリウスを3代目プリウスの登場後もプリウスEXの車名で継続販売した。
プリウスEXは、3代目登場時点でも充分な競争力を持っており、価格も2代目インサイトのベーシックグレードと同じ189万円に抑えた。
さらに当時はリーマンショック直後の不景気に対応する政府の景気刺激策としてエコカーに対する新車購入補助金があったのだが、3代目プリウスは長期間の納期が掛かっていたため新車購入補助金が間に合わないことも多く、納期が短いプリウスEXにはこの点も追い風となり、まずまずの販売成績だったようだ。
また、3代目モデル以降プリウスという車名は「トヨタにおけるエコカーのブランド」のように成長したこともあり、2011年に登場した現行アクアの米国での車名は、プリウスファミリーの一員を思わせるプリウスCと名付けられた。
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