「電動化なんかくそくらえ! このままじゃ、スーパーカーが死滅してしまう!」とお嘆きのスーパーカー世代のみなさま。2035年から純エンジン車の新車が買えなくなってしまい、生きてるうちに今所有しているガソリンエンジン車はどうなってしまうのか? と恐れおののいている人も多いだろう。
その一方で、イタリア政府は自国のスーパーカーを保護する計画を協議中。さらにポルシェもC02排出量を約85%削減できるというeフューエルという新たな燃料を開発中といった新たな動きも出てきている。
そんななか、今HV、PHV、EVのスーパーカーはどんなクルマがあるのかと調べて見ると、なんとW16/4ターボ、1600psを超える2000ps級のEVも登場していた。いったい全体、EVの狂気といってもいい状態だった。
あと何年、ガソリン車に乗れるのか、不安におののいている昨今。ここで、今乗っておきたい純ガソリン車のスポーツカーをフェラーリ教教祖の清水草一氏が紹介していこう。
文/清水草一
写真/フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、リマック、ポルシェ、ロータス、トヨタ、GM、アストンマーティン
【画像ギャラリー】EV化が進んでもスーパーカーは健在!! 新時代のスーパースポーツと偉大な純ガソリン車
■こんなに凄いHV、PHVのスーパースポーツが登場していた
EUでは、2035年からエンジン車の新車販売を禁止する方針だ。電動化の義務化に向けて、PHEV やHV、EVのスーパーカーのニューモデルラッシュが続いている。果たしてそれらはどれくらい魅力的なのだろう。
私はハイブリッドスーパーカーに一度も乗ったことがないので、すべて想像でしかないが(スイマセン)、現在発表済み、あるいは近々発表されるハイブリッドスーパーカーは、あくまで主役はエンジン。モーターはそれをアシストする形なので、従来のクルマとまるでフィーリングが違うというほどではない……はずだ。
もちろん、モーターのトルクが炸裂すれば、エンジンパワーとは別の何かに強く押されるようなフィーリングはあるだろうが、あくまでエンジンが主力なので、それはそれでターボが炸裂したような快感なのだろうと想像している。まぁ、想像したところで買えるわけではありませんが。
まずは現在の主なPHEV/HVスーパースポーツカーを個別に見てみよう。
●フェラーリ初の量産PHEV、SF90ストラダーレ(エンジン780ps、モーター3基220㎰、システム出力1000ps)
780psの4リッターV8ターボと3基のモーターを搭載し、EVモードでは最高速度135km/h。EV航続距離25キロは、EUでCO2排出量2分の1への換算を得るための方策だ。フェラーリは大メーカーとは異なり、2007年に対して45%のCO2削減を義務付けられている。
ちなみにEVモード走行時は、前2個のモーターで走るので、その時はフェラーリ初のFF状態になる。価格は5340万円。
●フェラーリ初の量産V6ターボPHEV、296GTB(エンジン単体で663ps、モーター出力167ps、システム出力は830ps)
こちらはSF90ストラダーレの普及版ともいうべきモデル。モーターは後ろに1個のみだが、EVモードで25キロの航続距離を持つ点はSF90ストラダーレと同じ。価格は従来のガソリンV8ターボモデルとほぼ同水準で、現地価格約3500万円。
●マクラーレン初の量産PHEV、アルトゥーラ(エンジン単体出力585ps、モーター95ps、システム680ps)
こちらもフェラーリ296GTBに近い構造で、3リッターV6ツインターボに、EVモードで30キロ走行可能なモーターが加わっている。価格は2965万円と、従来のガソリンV8モデルとほぼ同水準。
これら3モデルは、どれも「EVモードで航続距離25キロ以上」を達成するために、PHEV化されている。実際にはこういうクルマをEVモードで走らせ、電池が切れたらエンジンで……なんて使い方されるわけがないし、日常的に使われるクルマでもないので、平均走行距離は一般のクルマに比べてはるかに少ない。本当に言い訳的なPHEV化だが、あくまでエンジンが主役であることは確かだ。
●ランボルギーニ初のHV、シアン(システム出力819ps=エンジン785ps+モーター34ps)
こちらはリチウムイオンバッテリーではなく、昔ホンダが初代インサイトで採用していたウルトラキャパシタと同種の蓄電システム「スーパーキャバシタ」を採用する。
EVモードは存在せず、モーターはあくまでアシスト役。ランボルギーニも、次期アヴェンンタドールやウラカンはPHEV化される予定なので、その予習的な意味合いがある。新型カウンタックも、シアンとほぼ同じパワートレインを採用している。
コメント
コメントの使い方