カーボンニュートラル、地球環境、2030年に向けた動き……。クルマ業界は確実に電動化への流れだが、クルマ好きにとっては「まだ今は内燃機関を楽しみたい!」、これが本音ではないだろうか。
最初は現行日本車に搭載されるエンジンが題材。7つのクラスに分け、松田秀士氏、片岡英明氏、斎藤 聡氏、3人の自動車評論家がランキングを発表。加えて現行モデル込みの歴代No.1も挙げてもらう。「3気筒がテーマだけどどうしても4気筒を!」など、クラスを超えてヒートアップする場面も!?
●カテゴリーラインナップ
・V6&V8編
・ターボ(※スーパーチャージャー含む)編
・4気筒(直列&水平対向)編
・3気筒(コンパクトカー系)編
・3気筒(軽自動車系)編
・3気筒ターボ(軽自動車系)編
・ディーゼル編
※本稿は2021年8月のものです
文/松田秀士、片岡英明、斎藤 聡 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年9月26日号
■V6&V8編
●松田秀士のV6&V8ベスト5
1. レクサス 2UR-GSE
2. 日産 VQ37VHR
3. トヨタ 2GR-FKS
4. ホンダ JNB
5. 日産 VQ35HR
このテーマもNAエンジンにこだわり、1位はRCFに搭載される5L、V8。481psを7100rpmで、54.3kgmを4800rpmで発生。パワーフィールのテンションは全回転域でレスポンスが鋭く、なんといっても高回転に至るサウンドが素晴らしい。
2位はZニスモ。ベースのVQ37もいいがこれはニスモ専用チューンで、高回転域のキレの心地よさが一味も二味も異なる。3位はアルファードなどに搭載されるV6、3.5L。低速から中速にかけての力強さが印象深い。以下、4位=レジェンド、5位=フーガに搭載。
●歴代No.1はトヨタ3UZ-FE(ソアラなど)!
3UZ-FEは言わずと知れたソアラや30系セルシオに搭載。あの頃実にリッチになれるパワーソースだった。
●片岡英明のV6&V8ベスト5
1. トヨタ 2UR-GSE
2. レクサス 8GR FXS
3. トヨタ 2GR-FKS
4. 日産 VQ37VHR
5. ホンダ JNB
マルチシリンダーは、やはり官能的なエンジン音を奏でるV型8気筒に惹かれる。最高峰はレクサスLC500などに積まれている5Lの2UR-GSE型エンジンだ。圧巻のパフォーマンスを見せ、滑らかさも群を抜く。トヨタのV6では3位の、2GR-FKS型エンジンの上質なパワーフィールも捨てがたい。
3位は8GR FXS。レクサスLSに搭載されるV6、3.5Lで、モーター特性をうまく引き出すハイブリッド。パワー感も充分だ。フェアレディZに積まれる4位のVQ37VHR型は切れ味鋭い加速を見せるが、洗練度は今一歩……。
●歴代No.1はトヨタ1UZ-FE(初代セルシオ)!
国産エンジンで感銘を受けたのは、1989年にセルシオに搭載された4Lの1UZ-FE型V型8気筒ハイメカツインカムだ。驚くほど滑らかに回り、静粛性と振動もV12並み。洗練度が高かったなあ。
●斎藤 聡のV6&V8ベスト5
1. レクサス 2UR-GSE
2. 日産 VQ37VHR
3. レクサス 2GR-FKS
4. レクサス 8GR-FXS
5. ホンダ JNB
レクサスRC-Fに搭載の、世界的にも希少な5L NAエンジン2UR-GSE、これが1位。5Lの排気量を持ちながら鋭く吹き上がるレスポンスと、地の底から湧き上がるような分厚いトルクが魅力。2位はZニスモの3.7Lエンジン、VQ37VHR。専用チューンを施し、レーシングエンジンを思わせるダイレクトで鋭いアクセルレスポンス。3位はレクサスIS350の2GR-FKS。4位はLS、5位はレジェンドに搭載されるエンジン。
●歴代No.1はレクサス 2UR-GSE(RC-F)!
歴代1位はRC-Fの2UR-GSEだが、勝手に多気筒という意味に広げさせてもらい(笑)、V10のLFA、11R-GEUを推す! 振動もなく9000回転までの回転フィールはまるで精密機械。甲高いサウンドを轟かせながらアクセルに敏感に反応する応答のよさがあった。
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