新型VWゴルフが、日本カー・オブ・ザ・イヤー2021-22で最多得点を獲得した輸入車に与えられるインポート・カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。先代ゴルフは2013-14のイヤーカーに輝いている。
思えば故・徳大寺有恒さんは歴代ゴルフを手元に置き、長年のベストセラー『間違いだらけのクルマ選び』において、ゴルフにどれだけ近づいたかという基準で国産車を評価し続けた。
いったいゴルフのどこがそんなにいいのか、新型を評価しながらあらためて考えてみた。
文/塩見 智、写真/ベストカー編集部
■より現代的になった8代目ゴルフ
新型ゴルフはふたつの点で進化し、なんというかイマドキのクルマになった。
イマドキポイントその1は電動化。1L直3ターボエンジン搭載モデル、1.5L直4ターボエンジン搭載モデルともに7速AT(DSG)にベルト式スタータージェネレーターが組み込まれたマイルドハイブリッド仕様となった。
減速エネルギーを電力として48Vのリチウムイオンバッテリーに貯め込み、その電力を次に加速する際のモーターアシストに用いる。
確かにゴルフはダウンサイジングコンセプトの先駆者だが、なんぼなんでも1L3気筒ターボではかったるいのではないかと心配したが、このマイルドハイブリッドの出来がよいのもあって、実によく走る。スポーティーとは言わないが、実用上まったく不満なし。当然1.5Lのほうは余裕がある。
イマドキポイントその2はデジタル化。ゴルフの運転席に座ってインパネを見回すと、時代は変わったんだなと感じさせられる。デザインが刷新され、物理的なスイッチの数が大幅に減ってツルンとしてる。電源オフでディスプレイに何も映っていないと実に素っ気ない。
多くの機能をディスプレイをタッチしたり音声入力したりして呼び出すのだが、日頃、スマホやタブレットといったデジタルガジェットの操作に慣れていないと、使いこなすのに時間がかかるかもしれない。
カーナビの操作系もとっつきにくく慣れを要するが、音声入力を活用することを前提としたシステムと思われる。
音声入力……。もちろんそうじゃない人もいるだろうが、私は音声入力に対してやや複雑な感情をもつ。
ナイトライダーみたいに毎度うまくいけばよいが、聞き取ってもらえないと、自分がなまっているからではないか? 意地悪をされているのではないか? 嗚呼どうせ私なんて……と、どんどん自信を失ってしまうのだ。同乗者にいいところを見せようとして、うまく反応してもらえないと心に深く傷を負う。
人前でご主人さまに恥をかかせるんじゃない! という怒りもわいてくる。だがゴルフに限らず同種のシステムの音声認識能力は日進月歩で進化しているのは間違いない。
なんだかんだ言って、聞き取ってもらえた時はかなりうれしい。運転中、ステアリングホイールから両手を離すことなく操作できるほうが絶対安全だし。
コメント
コメントの使い方8代目ゴルフのエントリーモデル・TDIアクティブベーシックを1月末発注、5月の連休明けに手に入れた。ディーゼルとは思えない静粛なエンジンで、燃費は街中17Km/ℓ だが高速では22Kmに伸びる。ACC完備、スマホのAndroid Auto が使えるのでカーナビ不要。流石のひとことに尽きる。