BMW初のFF車かつMPVとして話題をさらった2シリーズアクティブツアラーが、第2世代に進化。新世代デザインを纏った新型は、フロントマスクの高級感が増しつつ、BMWらしいスポーティさも感じるものに仕上がっている。
ワゴンの利便性とBMWの走りを身に着けた新世代ワゴンは、定番ミニバン以外を求めるファミリーにも最適な一台だろう。新世代BMWの魅力と従来型の機能を備えた新型の特徴に加え、日本仕様の詳細について解説しよう。
文、写真/大音安弘
【画像ギャラリー】第2世代へ進化したBMW2シリーズアクティブツアラーの日本仕様をチェックへ!(13枚)画像ギャラリー■初となるフルモデルチェンジを迎えたビーエムのMPV
BMWは2022年6月14日、プレミアムコンパクトSAT(スポーツ・アクティビリティ・ツアラー)のフルモデルチェンジを行い、同日より発売を開始した。全車右ハンドル仕様となり、価格は418万~476万円だ。このSATとは、BMW独自のMPVの呼び方である。
2シリーズアクティブツアラーはBMW初のFF車かつMPVとして、2014年に発表され、日本にも同年秋より導入が開始された。当初、熱心なBMWファンからは、FF車であることがネガティブに捕らわれたが、BMWらしい走りなどをブラッシュアップしていくことで、新たなBMWの価値を構築。現在では、バリエーションが拡大されているFFモデル群の礎となった重要なモデルでもある。
エクステリアは、従来型同様にトールワゴンスタイルを継承。ボディサイズは、全長4385×全幅1825×全高1580mmと、少しだけサイズアップしている。このため、一般的な機械式立体駐車場には対応できないケースが出てきていしまったのが、やや残念。キャビンの広さを左右するホイールベースは、従来型同様の2670mmのままだ。
■ラグジュアリー感を増した新デザイン
そのスタイルは、新世代BMWのトレンドを取り入れたもの。最もインパクトがあるのが、新しいテイストのキドニーグリルだ。新たな八角形デザインのグリルは、サイズも大型化され、迫力も向上。
実車を見ると、先代のコンサバ感が取り払われ、プレミアム感が増している。同時に、従来型のイメージも受け継いでいるので、従来型が気に入っているオーナーにも新型の上級感が魅力的に映りそうだ。
エクステリア以上の大変革を行っているのがインテリアだ。従来のオーソドックスなコックピットから、iXなどに採用される新世代のダッシュボードデザインに変更されている。その象徴となるのが、コンパクトクラス初採用の「BMWカーブドディスプレイ」だ。
水平基調のダッシュボード上に備わる大型の液晶メーターとインフォメーションシステムを一体化させたもので、すっきりしたコックピットデザインを実現。ただし、運転席側にディスプレイを傾けてあるのがドライバーを主役としたBMWらしいところだ。
スイッチ類やシフトレバーは、やはり新採用となるフローティング構造のセンターコンソールに集約。その下は小物入れとして機能する。ダッシュボード中央下部の小物入れにはワイヤレス充電器が備わり、ここでスマートフォンの充電を行うことができる仕掛け。スマートフォンが飛び出すことがないように、可動式の安全バーが備わる点もユニークだ。
乗員は従来型同様に5名仕様となり、リアシートは130mmのロングスライド機構とリクライングを備える。ラゲッジスペースは標準で470Lを確保し、最大で1455Lまで拡大可能。3分割可倒式後席と調整可能なシートバックにより、細やかな積載容量の調整も可能となっている。
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