最近はスポーツモデルといってもかつてのようなリアスポイラーやウイングなどエアロパーツを純正で装備しているクルマが少なくなっている。GRスープラ、GR86/BRZは言うまでもなく、新型フェアレディZですら小ぶりなトランクスポイラーがオプション設定に、WRX S4も現行型からリアウイングはメーカーオプション設定すら消滅となってしまっているのだ。
かつてのランエボにインプレッサWRX STI、シビックタイプRはデカい純正のリアウイング装着がマストアイテムだったが、なぜ大型エアロパーツの装着が下火になってしまったのだろうか。トランク後端をダックテール形状にしているトレンドなどを含め、現行型リーフや先代WRX S4に大型ウイングをつけて走っている国沢光宏氏の持論を語ってもらった。
文/国沢光宏
写真/トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ、三菱、ベストカーWeb編集部、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】大型のリアスポ装着車はスポーツモデルでも激減! もはや廃れる一方なのか!?(34枚)画像ギャラリー■スポーツモデル必須のアイテムだったリアスポだが……
ひと昔前まではスポーツモデルといえば大型リアウイング&スポイラーが必須のアイテムだった。黄金時代のWRX STIやランエボ、80スープラを見ると大型のリアウイングを標準装備。初代NSXなどはリアウイングをボディの一部にしていたほど。
なのに、今や絶滅危惧種になりつつある。WRX S4はオプション設定すらなし。新型フェアレディも「超」小型のスポイラーだ。
参考までにウイングとスポイラーの違いを紹介しておく。
ウイングは車体から離れた位置に取り付ける空力付加物で、文字どおり飛行機の羽根を上下逆に取り付けたような形状をしている。ウイング単体で下向きに力(ダウンフォース)を出せるうえ、車体から離れた空気の流れのよい場所に取り付けられるため効果大きい。現代の競技車両は基本的にウイングを使う。
スポイラーは車体後方に直接取り付ける。空力付加物。車体の上面を通ってきた空気を上向き飛ばし、下向きのダウンフォースを発生させる。ウイングと比べて空気抵抗が大きく、効能もイマイチ。
航空機だと主翼の上面に飛び出す補助翼をスポイラーと言うが、「エアブレーキ」として使うこともあるほど。ダウンフォースと同時に空気抵抗を増やしてしまうため、競技車両では使われなくなった。
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