V35スカイラインや、Z33フェアレディZで採用されていた、日産のFR-Lプラットフォーム。現行V37スカイラインや新型フェアレディZ(RZ34)にもその改良版が引き継がれている、日産が誇る名プラットフォームなのだが、世間ではあまり評価されていない。
なかでも、そのプラットフォームを搭載したV35スカイラインの国内での評価はいまいちで、「もっとよさを知ってほしい」と思うモデルのひとつ。もちろんスカイラインとしての大きな転換点でもあったが、間違いなく国産車の完成度はグッとアップさせた存在だった。
日産のFR車が転換期にきているいま、V35スカイラインとFR-Lプラットフォームのよさを振り返ってみよう。
文/吉川賢一、写真/NISSAN、INFINITI
■BMW対抗馬「XVL」がスカイラインになるのは必然
V35スカイラインが国内登場した2001年当時のネット上のコメントをみてみると、直6エンジンの廃止(V6エンジンへ移行)や丸目四灯テールランプの廃止、上方向へ膨らんだ野暮ったいスタイリング、フロントセクションのカッコ悪さ、価格上昇など、否定的なコメントが非常に多い。
V35スカイラインは、日産が、1999年の東京モーターショーで発表したコンセプトカー「XVL」が源流だ。
XVLは、「21世紀の理想のプレミアムスポーツセダン」として開発されたモデルで、2850mmという後席を重視したロングホイールベースや、パワフルな3.5L V6エンジン(当時のBMW3シリーズは最大でも3.0Lだった)など、BMW3シリーズ、メルセデスCクラスといった、ドイツ製高級セダンとガチンコ戦えるよう開発されていた。
もともと、日産の北米向け高級ブランドINFINITIの新型セダンとして開発されたXVLだが、90年代末といえば、日産が倒産危機に陥ったことで、ルノーからやってきたカルロス・ゴーン氏による大胆な「断捨離」が行われていた時代。
高級FRであるXVLと、国内専売スカイラインの後継車の2車種を開発することは困難だったのだろう、急遽、「XVL」の企画とスカイラインが統合されることになったのだ。
そのため、歴代スカイラインが踏襲してきたアイコン的なデザインを織り込む余裕はなく、2004年のマイチェンで丸目四灯を復活、フロントグリルデザインも変更されたものの、一度離れた顧客が戻ることはなく、国内のスカイラインファンからは、前述のように、否定されるモデルとなってしまった。
コメント
コメントの使い方M35ステージアもFMパッケージとV35と共通のインテリアを採用してました。現有で乗っていますがワゴン車でも安定したハンドリングは秀逸だと思います。
V35ほんと好き〜特に前期!!
丸っこくてクリーンなデザインが昼間は可愛く見えるけど、夜にあかりの下に行くとシンプルだけれどマッシブな立体としての美を見られるだよねェェ!!